三ノ輪歴史散歩 想定外の事案も⁉️

ジョイフル三ノ輪 keiryusai.net 歴史
ジョイフル三ノ輪 keiryusai.net

 7月14日(火)の「パリ祭」。先日、渓流斎ブログで予告しました通り、東京の下町「三ノ輪」界隈を散策しました。このブログで、ご同行人の「募集」を致しましたが、お一人だけ「先約と重なり、残念ながら欠席致します」とのご連絡がありました。そこで、いつも歴史散歩にご同行して頂いているSさんと二人きりの行脚となりましたが、やはり、想定外の事案ばかり勃発し、文字通り「弥次喜多道中」となりました(笑)。

歴史散歩 三ノ輪への誘い
7月14日(火)のパリ祭(フランス革命記念日)に、Sさんと一緒に東京・三ノ輪界隈を散策することになりました。恒例の歴史散歩です。これまでは、この渓流斎ブログには「結果」しかご報告しておりませんでしたが、今回は「予告編」として開陳します。この…

 三ノ輪の正午前後の気温は気温は33・9度。この夏一番の暑さとなりました。何が哀しいのか、この暑さでは人通りも少なかったでしたね。私も、もし一人でしたら、妥協の末、このツアーを取りやめていたかもしれません(苦笑)。でも、Sさんのお陰でどうにか1万4121歩の小旅行を完遂することが出来ました。Sさんは後期高齢者ですが、学生時代に山岳部で鍛えられた頑強な身体の持ち主ですので、ビクともしませんでした。

寂れたシャッター商店街?

 都電の三ノ輪橋駅で待ち合わせをし、早速、「ジョイフル三ノ輪」を散策しました。もう30年以上も昔に初めて一人でフラフラしたアーケード商店街で、当時は人通りもかなり多く、油断すれば、ぶつかるほどで、かなり活気のある商店街でした。しかし、今ではシャッターが降りた商店がチラホラ目立ち、人通りも「一人、二人」と数えられるほどでした。ま、「寂れた」ということです。

 少子高齢化の影響?物価高のため?ー要因は様々でしょうが、本当に寂しい限りです。ランチ先の候補の一つだった大正元年(1912年)創業の老舗蕎麦「砂場」も(火)(水)が定休日とかで、休業してました。

老舗蕎麦「砂場」(ジョイフル三ノ輪) keiryusai.net
老舗蕎麦「砂場」(ジョイフル三ノ輪) keiryusai.net

 この商店街は、ドラマ「3年B組金八先生」や映画「万引き家族」などのロケが行われ、「ロケの聖地」として人気なんだそうですが、それにしても平日の昼間ですと、本当に閑散としておりました。

映画「万引き家族」のポスター(ジョイフル三ノ輪) keiryusai.net
映画「万引き家族」のポスター(ジョイフル三ノ輪) keiryusai.net

 ジョイフル三ノ輪は早々と引き上げて、今回のメーンイベントである明治の小説家樋口一葉の「台東区立一葉記念館」に向かいました。

 三ノ輪界隈は、荒川区と台東区が入り組んでいて、ジョイフル三ノ輪は荒川区南千住、一葉記念館は台東区竜泉となります。

三ノ輪橋  keiryusai.net
三ノ輪橋  keiryusai.net

 その途中、昭和通りを渡って、土手通りに入った所に、目黄不動尊・永久寺がありましたので、お参りしました。

 昭和通りは、大正12年(1923年)の関東大震災後の復興事業として、当時の東京市長後藤新平の掛け声で開通した通りですが、港区の新橋交差点から、この台東区の三ノ輪交差点まで結んでいます。

 土手通りとは、江戸時代の「日本堤」で、先日の渓流斎ブログの「三ノ輪予告編」にも書きましたが、幕府公認の公娼「吉原」に通じる隅田川の堤防のような道路でした。歌川広重が「名所江戸百景 よし原日本堤」の浮世絵を残しています。この道路の沿線にある明治22年(1889年)創業の有名な老舗天麩羅屋「土手の伊勢屋」にランチに行こうと思いましたら、こちらも火曜と水曜が定休日とやらで行くこと能わずでした。何故、伊勢屋なのか? 江戸時代、三ノ輪は伊勢亀山藩の下屋敷がありましたので、伊勢の商人が店舗を構えていてその名残りなのかもしれません。

 そして目黄不動尊ですが、家康から家光まで三代の将軍に仕えた「怪僧」天海上人による江戸の街づくりの一環として、目白、目赤、目黒、目青、目黄の五色不動を各所に配置したものです。もう15年ぐらい前ですが、「江戸五色不動尊巡り」のバスツアーに参加したことがありますが、流石に広大な目黒不動尊は覚えていますが、目黄不動尊が三ノ輪にあったとはすっかり忘れていました。

 ちなみに、江戸城の鬼門(北東)に東叡山寛永寺、裏鬼門(南西)に三縁山増上寺を配置したのも天海大僧正でしたね。

目黄不動尊・永久寺 keiryusai.net
目黄不動尊・永久寺 keiryusai.net

56年ぶりの一葉記念館

 ちょっと道に迷いましたが、ジョイフル三ノ輪から15分ぐらいで「台東区立 一葉記念館」に到着しました。実は、私が一葉記念館を訪れるのは、1970年の中学生の時、文芸クラブの一員として顧問の先生に引率して頂いて行って以来、実に56年ぶりです。確か、河野君、林君、平田さんらが一緒だったと思います。

 56年も前なので殆ど覚えていませんが、写真だけは数枚残っていました。

樋口一葉記念館にて(1970年頃)河野君(右)と keiryusai.net
樋口一葉記念館にて(1970年頃)河野君(右)と keiryusai.net

 56年前は現在の建物とは違う「旧館」だったらしいですね。それが理由ではありませんが、建物も展示物も全く覚えておりません。こうして、人生は夢幻の如く過ぎていきます(苦笑)。

台東区立一葉記念館 keiryusai.net
台東区立一葉記念館 keiryusai.net

 樋口一葉が代表作「たけくらべ」や「にごりえ」などを執筆したのは、本郷丸山福山町でしたが、この下谷龍泉寺の旧居では荒物雑貨店を開きました。わずか9カ月で店を閉じ、本郷に移ってから下谷龍泉寺での思い出をもとに小説にしたわけです。

 私は、一葉の文語文は、中学生の読解力ではとても意味を理解することさえ追いついていけず、ざっと読んだぐらいでしたので、人生体験をたっぷりした今、もう一度、24歳の若さで早逝された作家の作品に挑戦してみようと思いました。

樋口一葉旧居跡 keiryusai.net
樋口一葉旧居跡 keiryusai.net

 てな具合で、樋口一葉に関する知識が殆どなかったので、この記念館で、一葉の父則義が甲斐(現山梨県甲州市塩山)の農民でしたが、江戸に出て、同心株を購入して幕臣になった人物だったとは知りませんでした。幕末では新選組の近藤勇や土方歳三らが農民から幕臣に取り立てられたことは有名ですが、幕末になると身分制度がかなり崩れて来ていたんですね。

 記念館を出る頃は昼時になっていたので、何処かでランチをしようということになりました。三ノ輪の老舗蕎麦「砂場」も老舗天麩羅屋「土手の伊勢屋」も休みです。想定外でした。そしたら、Sさんは「浅草に行きましょう。ここから近いですから。途中で何かお店があるでしょう」と提案するのです。気温気温33・9度は少し堪えますけど、Sさんは乗り気です。

吉原は永遠に不滅です

 途中で昨年のNHK大河ドラマ「べらぼう」の舞台になった「吉原の大門」跡が近くにあるので、そこを経由して浅草に向かうことにしました。

吉原大門跡 keiryusai.net
吉原大門跡 keiryusai.net

 この辺りは、さすが、吉原跡です。江戸幕府が瓦解しても、明治、大正、昭和、平成、そして令和となっても、連綿と風俗店が健在でした。真っ昼間なのでネオンサインがなく、人通りも殆どないので注意しないと気がつきませんが、確かに、1617年創業の吉原遊廓は、400年以上も経っても不滅のようでした。

ランチは「孤独のグルメ」のレストランだった

 ランチは浅草に向かう途中で見つけた「中華・洋食やよい」なる店に入ることにしました。入ったら、ドラマ「孤独のグルメ」でも取り上げられた、知る人ぞ知る超有名店でした。ちょっとグロッキー気味でしたので、「ポークソテー定食」を頼んだら、2400円もしました。メニューに1700円と書いてあったので、それぐらいかと思ったら、ご飯とお味噌汁を付けるとその値段になったんですね。ま、ボリューム満点で美味しかったでしたけど(笑)。

浅草は外国人観光客だらけ

 店を出て、千束通りを浅草寺方面に向かって歩くと、段々と人通りが急に多くなって来ました。雷門前に着くと、ほとんどが外国人観光客だと思われました。それで、10年ほど前にイタリア旅行した時のことを思い出しました。ローマは遺跡や映画「ローマの休日」の舞台になった名所旧跡だらけですが、そんな観光スポットを外して、静かな裏道を行くと、殆ど観光客がおらず、地元の人だけがゆっくり寛いている喫茶店がありました。観光スポット近くの有名カフェでは、コーヒー1杯千円近く取るというのに、こうした地元民向けのカフェのエクスプレッソは200円ぐらいで飲めたのです。

 今更ながらの話ですが、日本も、巷に外国人観光客が増え、イタリア並みになってきた感じです。

浅草「雷門」 keiryusai.net
浅草「雷門」 keiryusai.net

映画「Perfect Days」の舞台

 せっかく浅草まで来たので、私の希望で、ヴィム・ヴェンダース監督、役所広司主演(カンヌ国際映画祭男優賞)の映画「Perfect Days」(2023年)の舞台になった浅草地下街の「福ちゃん」という店を見に行きました。地下鉄浅草駅の女性駅員の方が道順を親切に教えてくれました。

映画「Perfect Days」に舞台になった浅草地下の「福ちゃん」 keiryusai.net
映画「Perfect Days」に舞台になった浅草地下の「福ちゃん」 keiryusai.net

 ここで、ちょっと一杯引っ掛けてみようかと思いましたが、スマホもテレビも持たないSさんは、この映画を観たことも、聞いたこともないというので、店に入ることはやめました。

 それに酷暑の中、昼間っからビールでも引っ掛けると余計に脱水症状になり、疲れてしまいますからね。代わりに近くの外資系チェーンコーヒー店に入って、「反省会」をしてお開きとしました。

 今回も想定外のことばかりで弥次喜多道中になりましたが、思い出深い歴史旅となりました。

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