最近、ちょっと忙しくて初日から観ることが出来なかった映画「黒牢城」をやっと観ることが出来ました。何しろ、巨匠黒沢清監督、そして本木雅弘、菅田将暉、青木崇高、吉高由里子、柄本佑、オダギリジョーという超豪華俳優陣の出演。さらには、カンヌ国際映画祭プレミア部門正式出品ということで、大いに期待しましたが、ちょっと中弛みしてしまいました。
一応、織田信長に反旗を翻した荒木村重(本木)の有岡城籠城戦という史実がテーマになっておりますが、牢に入れられた黒田官兵衛(菅田)が、城内で次々に起こる不可思議な事件の背景の謎を解く聡明な「探偵軍師」ぶりが物語の骨格になっています。いわゆる歴史小説なので、フィクションとして楽しめば良いのですが、私なんか、「ちょっと有り得ないなあ」と観てしまったので、楽しめませんでした。
かと言って、作品自体は、それほど大きな合戦場面は出てきませんでしたが、黒澤明監督後期の「乱」や「影武者」に匹敵するような舞台装置や緊迫感に溢れていたことを認めておきます。武将たちが一癖も二癖もあるような顔相のある俳優を選んだところが凄いと思いました。
「中弛みしてしまった」というのは、吉高由里子と柄本佑が出て来ると、どうもNHK大河ドラマの「光る君へ」の紫式部と藤原道長役のコンビを思い出してしまい、戦国時代の話なのに、平安時代になってしまったからでした。こりゃ、いかん。
私がこうして映画の世界に浸るのは、「自分の思い通りにならない現実の嫌な世界から逃避するためなんだなあ」と、つくづく思いましたよ。

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