昨日は、人口約23万人の地方都市で、ジョン・レノンとお会いして来ました。正確に言いますと、いつもこの渓流斎ブログに話題を提供してくださるジョン・レノンと同い年の宮さんです。1940年生まれですから86歳。ジョンがもし健在だったら、これぐらいのお年格好なんだろうなあ、と思いながら、宮さんと再会しました。
地方都市とは言っても東京駅まで40分という通勤圏内です。宮さんが住み始めて何十年も経ってますが、年々人口が増えても、「とても住みやすい所」なんだそうです。川沿いの土手では亀の産卵も見ることが出来て、まだまだ自然が溢れているそうです。

宮さんとお会いしたのは、先月お借りした御本、西家文代著「ナホトカの春 ハルビン学院特修科・シベリア抑留記」(羽衣出版)のご返却も兼ねて、ということもありました。

そしたら、驚いたことに、宮さんは「暑い中、遠路はるばるおいで下さりましたから」と、またまた浮世絵をくださったのです。この渓流斎ブログで、「7月14日に『三ノ輪』の歴史散歩します」という予告記事を書いたところ、宮さんは既に読んで下さったらしく、「三ノ輪の少し北が千住です。そこで、これは千住大橋を題材したものです」と、歌川広重「名所江戸百景 千住乃大はし」=写真=をわざわざ選んで持ってきてくださったのです。

宮さんから浮世絵を頂戴するのは、これで9枚です。下絵、彫り、摺りなどの工程は、元浅草の梶川工房が手掛け、山田書院から復刻刊行された浮世絵の一つです。和紙は四代目岩野市兵衛の「越前生漉奉書(えちぜんきずきほうしょ)」でしたね。

この「千住乃大はし」も写真で見るものとは大違いでした。線(ライン)が剃刀で切ったように鋭く見えるのは、今更ながら「あ、そっか、もともと、これは版画だったんだ」と思い起こさせてくれます。写真ですと、この鋭利さが全く伝わってきません。また、遠くの空の景色がぼやけたりするところは、「刷り師」の腕前にかなり左右されるという話を聞き、ますます浮世絵の魅力に取り憑かれてしまいました。
マルセル・プルーストの「失われた時を求めて」ではありませんが、失われた江戸の風景を求めて、これからも歴史散歩に勤しみたいと思っております。

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