先日、三軒茶屋の山本悦夫氏からお借りした山本守喜著「台湾に寄せる」(インターナショナルセイア、2022年8月20日初版)を取り上げましたが、もう1冊、渓流斎ブログで取り上げなくてはならない本がありまする。山本さんのお嬢さんも編著者の一人として参加した岸和田仁、麻生雅人、山本綾子編著「食文化からブラジルを知るための55章」(明石書店、2025年5月30日初版)です。
巻末の「執筆者紹介」によると、山本綾子氏は、お茶の水女子大卒業後、JETRO勤務などを経て、ブラジルの地勢が異なる4都市(サンパウロ、ベレン、ブラジリア、クリチバ)に暮らし、その間、ブラジリア連邦大学で観光学修士号を取得された才媛さんでした。2012年に共著で「ブラジル・カルチャー図鑑」(スペースシャワーネットワーク)を出版した際、東京のブラジル大使館で、出版記念会が開催されましたが、私も参加し、綾子さんとお会いしました。確か、山本悦夫氏の友人知人関係者が30人ぐらい顔を揃えたと思います。
先日、山本氏邸をお邪魔した時、綾子さんから「2冊目の本が出ました」と知らされて、早速この本を手に入れましたが、振り返ってみれば、綾子さんとお会いしたのは、このブラジル大使館以来で14年ぶりだったわけです。
ブラジル国民食を食べたことがない
さて、この「食文化からブラジルを知るための55章」です。普通の単行本サイズの大きさですが、まさに百科事典です。タイトル通り、ブラジルの食文化に関するありとあらゆる情報が盛り込まれていますが、正直、私自身、全く知らないことばかりでした。
ブラジルの国民食と言われる「フェイジョアーダ」も、魚料理の代表と言われる「ムケッカ」も、お粥料理の「カンジャ」も、いずれも初めて名前を聞く料理ばかりで、勿論、生まれてこのかた、一度も食べたことはありません。そう言えば、世界一のグルメ都市と呼ばれる東京の銀座にもブラジル専門料理店があるようですが、現役時代、うっかりして、一度も行ったことがありませんでした。ずあんねん。
食文化だけでは、その国のことは語れませんから、この本にはブラジルという国の地理、歴史から文化に至るまであらゆる基礎知識を網羅しております。国土面積は、世界第5位(①ロシア②カナダ③米国④中国⑥豪州)、人口は約2億1300万人で世界7位、GDPは世界10位と言えば、もう超大国です。
私は、ブラジルと言えば、コーヒーとサッカーとサンバとボサノバぐらいしか知りませんでしたが、この本を読むと実に奥が深いです。1500年にポルトガルによって植民地化され、産業としてコーヒーやサトウキビの栽培収穫や金の採掘などの重労働を担ったのは、アフリカから強制的に連れて来られた黒人奴隷だった、ということを最初に頭に入れなくてはなりませんね。おっと、その前に先住民のインディオの食文化がありました。そして、本国ポルトガルは当然のことながら、イタリア、シリア・レバノン、さらには日本といった移民の食文化があります。さらに、意外にもウクライナからの移民の食文化も根付いているというので、やはり奥が深いですね。ウクライナ移民は、日本移民に先立って1891年から始まり、現在は約60万人と米大陸では米国、カナダに次ぐ多さだそうです。
私事ながら、最近、自分のルーツを調べている過程で、私の大叔父の長男に当たる高田博人(1941〜)という人物が、ブラジルのサンパウロ新聞社で記者として活動していたことを知り、ますますブラジルに関しては興味を持つようになりました。
ブラジルはあまりにも遠いので行けないので、せめて、いつか本格的なブラジル専門料理店に行ってみたいと思っております。


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