「スマホ農場」が操作する恐ろしい世界

SNSコレクション(出典 Wikimedia commons) 雑感
SNSコレクション(出典 Wikimedia commons)

 YouTubeやFacebook、Instagram、X、TikTokなどSNS上の実態のない閲覧数を作為的につくる拠点のことを「スマホ農場」というそうですね。1000台以上のスマホや基板を集めてパソコンに繋げて、「有料」で閲覧数を増やす「工場」みたいなものです。皮肉と諧謔で近未来を描いたジョージ・オーウェルの名著「動物農場」を文字ったようなネーミングで、うまく名付けたものです。

 4月28日付朝日新聞朝刊一面によると、今年2月に取材に応じたのは、何と18歳の高校3年生Aさんでした。4月から理系の難関私大に進学するといいますが、同世代を中心にグループで運営し、料金はYouTube再生1000回で175〜750円。年間数千万〜数億単位の注文があるといいます。

 依頼者は、商品を売りたい企業や人気商売のインフルエンサー辺りでしょうが、Aさんは「選挙関連は断っている」といいます。続けて「世論誘導なんて簡単にできちゃいますけどね」と言うのです。

ロシア寄りの候補がトップに

 それで、思い起こせば、2024年のルーマニアの大統領選挙です。ロシア寄りの極右の無名候補が、TikTokで選挙運動し、第1回の投票でトップに立った事件がありました。あの白馬に乗って、救世主のような格好をした候補です。それが、SNSの拡散にインフルエンサーにお金を払い、ロシアの関与の疑いも取り沙汰されて、憲法裁判所により投票が無効にされました。

 私はほとんどSNSは見ませんけど、2月の衆院選では数千の中国系とみられるアカウトから高市首相や日本の政策を批判する投稿があったといいます。これらをスマホ農場で拡散すれば、さらに世論誘導が出来るわけですね。

2019年からSNSが支配者に?

 かつては、世論は新聞やラジオ、テレビなどオールドメディアが担っていましたが、今やSNSがその役割を上回ってしまいました。2019年にテレビの広告費が、インターネット広告費(SNS、検索エンジン等含む)に抜かれてから7年、こうなることは予想できましたが、恐ろしい時代になったものです。

 原因は、現代に蔓延っている人間の「拝金主義」だと私は思っています。拝金主義とは、SNSの閲覧数にせよ、暗号資産にせよ、株式投資にせよ、何でも、現金化しようという風潮のことで、大金を手に入れて成功した者が一番偉いとするイデオロギーです。

AIは制御不能?

 未読ですが、2025年に人工知能研究者エリーザー・ユドコウスキーが出版した「超知能AIをつくれば人類は絶滅する」(早川書房)の中で、著者は、AIは予測不可能、制御不可能になるので人類は絶滅すると予言しているといいます。

そう言えば、昔、ロボットが暴発して人間を支配するSF小説がありました。

 おいおい、やっぱし、明るい未来が描けないじゃありませんか! 最後は「人類の良識」に一縷の望みを託すしかないかもしれません。それには、良心の呵責と自責の念と反省心と後悔の念が人類には必要です。

コメント

タイトルとURLをコピーしました