気温34〜36度と猛暑の中、東京・上野の東博で開催中の「弘法大師生誕1250年記念 特別展 空海と真言の名宝」に行って来ました。開館時間の午前9時半に行ったら、長蛇の列でした。結局、15分も並ばされました。その間、どういうわけか、「スペシャルチケットをお持ちの方はどうぞお先に」と、ダフ屋のような顔をした男(実際には、東京国立博物館の職員でしょうから国家公務員でしょうが)、スペシャルチケットを優先的にして、並ばさずに入口に通すのでした。他の人は猛暑の中、立って並んで待っているというのに。
ほとんどが外国人観光客風情でしたが、スペシャルチケットって何? てな感じですよ。私のような庶民は、当日一般券2300円は高いので、2100円の前売券を購入していましたから、「お前のような下郎は、最後列に並び直して来い」と言われるかと思いましたよ。
国宝が15点
この特別展のキャッチコピーは「真言宗十八本山の名宝、88件が集結‼︎」です。出品目録によると、前期後期合わせて15点の国宝が展示されています。
空海筆の「三十帖冊子」(9世紀、京都・仁和寺)や、教科書でも見たことがある「信貴山縁起絵巻」(12世紀、奈良・朝護孫子寺)(いずれも国宝)が展示されていましたが、この特別展で私が最も印象に残ったのは、快慶作の「深沙大将立像」(1197年、和歌山・金剛峯寺)=重文=でした。写真撮影出来ませんでしたが、不動明王のような鬼のような形相で、髪の毛を逆立て、首に髑髏を巻き、腕には蛇が絡まり、お臍辺りに子供か女性の能面のような顔が付いていて、膝には象がくっついたりしています。
私は「仏像マイラー」を自称しており、全国各地、色んな所で仏像参りをしておりますが、こんな「仏像」、これまで見たことがありませんでした。調べてみたら、深沙大将立像(じんじゃだいしょうりゅうぞう)とは、仏教の経典「大般若経」を守護する神で、玄奘三蔵が砂漠で苦難に遭った際に救済したそうです。
残念ながら、この深沙大将立像の写真は撮れませんでしたが、展示室の最後の方にあった「愛染明王坐像」(12世紀、山梨・放光寺)=重文=と「五智如来坐像」(9世紀、京都・安祥寺)=国宝=だけは写真撮影が許可されていました。

五智如来坐像とは、大日如来(中央)=宇宙の真理を象徴する中心の仏=と阿閦如来(あしゅくにょらい、前方右)=怒りの心を鎮め、真理を揺るぎなく見つめる智慧=と宝生如来(ほうしょうにょらい、前方左)=万物の平等や、豊かな徳を授ける智慧=と阿弥陀如来(あみだにょらい、後方左)=無限の慈悲で人々を極楽浄土へ導く智慧=と不空成就如来(ふくうじょうじゅにょらい、後方右)=あらゆる願いを成就させ、人々を救済する智慧=の五つの如来像のことです。

五智如来坐像が安置されている京都・安祥寺は、空海の孫弟子に当たる恵運(798〜869年)が創建したもので、像も平安時代の9世紀作といわれています。この五智如来坐像は、初期密教彫刻の代表作で、5体揃って伝わる像は現存最古例だそうです。
私は、何と言っても、「仏像マイラー」なので、ことのほか感激感動感服し、何度も手を合わせました。
そうそう、今年2月の京都旅行で、醍醐寺にお参りした際、ご尊顔を拝した快慶作の「不動明王坐像」(1203年、重文)とも、この特別展で「再会」を果たしました。

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