歌川広重「東海道五十三次 五種競演」で旅に出ます

歌川広重「東海道五十三次 五種競演」(阿部出版)keiryusai.net 書評
歌川広重「東海道五十三次 五種競演」(阿部出版)keiryusai.net

 歌川広重「東海道五十三次 五種競演」(阿部出版、2017年10月1日初版)を買ってしまいました。何と、6600円もしました! でも、全然後悔していません。むしろ、購入して良かったです。「家宝」にはなりませんが、皆が寝静まった時に、ムクっと起き出して、「イヒヒヒ」と静かに笑いながらページを捲ることにします。

 最近、浮世絵にハマってしまったとはいえ、こんな高い本を買えたのは、例のデジタル商品券が当選したこともあります。1万5000円のデジタル商品券が1万円で購入出来る、つまり、5000円得をするというヤツです。6600円しましたが、1600円で買えた、ということになります。ま、そういうことにしましょう(笑)。

5000円も得した話
イラン情勢の影響で重油が値上がりし、全国各地の温泉で休業を余儀なくされている湯治場もあるというニュースをやっていました。多くの温泉は源泉を重油で沸かしていますからね。 そこで、先日、私がよく通っている自宅近くの「日帰り温泉」の受付で、「重油…

子どもの頃の仇を取る?

 歌川広重に関しては、先日、晩年の「名所江戸百景」などを購入したばかりです。何で、「東海道五十三次」まで買うことにしたのか、と言いますと、子どもの頃の仇を取りたかったからでした。いや、大袈裟ですね。要するに子どもの時に買えなかった玩具が、大人になって余裕が出来て、やっと買えるようになったみたいなものです。

 私が初めて歌川広重「東海道五十三次」の浮世絵を知ったのは、小学校5年か6年生の時、社会の教科書に「江戸時代の街道の宿場町」の紹介の「挿絵」として掲載されていたからだと思います。同時に、当時、永谷園のお茶漬けに、東海道五十三次のカードがおまけに入っていて、それらを集めるのが楽しみでした。(調べてみたら、カード封入は1965年に始まり、1997年に終了。2016年に復活し2025年で終了したようです)そのカード収集は20枚ぐらいで挫折したか、飽きたのか、全部集められなかったことがずっと頭の片隅にありました。私の記憶では、当時(1960年代)は確か、歌川広重ではなく、安藤広重となっていたと思います。そして、「保永堂版」と書かれていたこともはっきり覚えています。

何と5種類も!

 それで、保永堂以外の「版edition」が他にあるのかもしれない、と子どもながら思っていましたが、この本を買って吃驚です。何と5種類もあったのです。歌川広重(1797〜1858年)が最初の「保永堂」の東海道五十三次を発表したのは天保4年(1833年)頃と言われているので、36歳の時です。これで大成功を収めてから、東海道は彼のライフワークとなり、40代、50代、60代になってもずっと描き続けていたのです。この本によると、「保永堂」に続いて、「狂歌入」(天保年間1830〜44年)、「行書版」(天保12年〜嘉永元年1841〜48年)、「隷書版」(弘化4年〜嘉永5年1847〜52年)、「竪絵=たてえ」(安政2年1855年)と継続的に発行していたのです。

 知りませんでしたねえ(苦笑)。だから、抜粋版の廉価本ではなく、完璧に揃ったこの「完全版」を買って本当に良かったと思ったのでした。私は「保永堂版」の東海道五十三次を見慣れていたので、他の版がこんなに沢山あって、しかも、絵柄が違うのに驚いてしまいました。夜中に一人で「イヒヒヒ」と眺めたくなるのも分かってもらえたかもしれません(笑)。

 先日、東京・神田神保町の古書店「大屋書房」で、9万3500円の「東海道五十三次之内 浜松」(蔦屋吉藏版)を見つけましたが、これはこの本によると、「隷書版」に当たるわけです。「結構、安いもんだなあ」と思いましたが、もし、人気の保永堂版の「浜松」の初刷でしたら、20万円とか、いやもっとするかもしれません。そう思いました。

下村観山展に滑り込み 老舗天麩羅屋さんで贅沢三昧 
東京国立近代美術館で開催中の「下村観山展」に慌て見に行って来ました。3月から開催されておりましたが、5月10日で終わっちまって、この後、和歌山県立近代美術館に巡回(5月30日〜7月20日)するというので、本当に大急ぎで見に行きました。関東で…

岐阜県恵那市の「中山道広重美術館」

 この本に掲載された作品は、岐阜県恵那市にある「中山道広重美術館」の基礎を築いた実業家・田中春雄氏(1919〜2012年)のコレクションが含まれているといいます。浮世絵版画とはいえ、明治以降、多くの作品が海外に流失してしまったので、こういう奇特の方がいらっしゃったお陰で、我々は恩恵を受けています。有り難いことです。解説は同美術館学芸員の前田詩織さんという方で、分かりやすく説明してくれております。いつか、この中山道広重美術館に行ってみたいなあと思いました。

 そして何よりも、私は、この本で、日本橋から京都まで、新幹線ではなく、ゆっくりと、東海道の宿場町の旅を楽しむことにします。

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