見知らぬ人と付き合うということ

富士山(本文とは関係がないイメージ写真)(出典 Wikimedia commons) 雑感
富士山(本文とは関係がないイメージ写真)(出典 Wikimedia commons)

 私がいつも大変お世話になっている杉田敏先生の「現代ビジネス英語」2026年秋号(NHK出版)の第3課「新しい言語を学ぶ」の中で、こんなフレーズが出て来ます。

 He strongly believed in connecting with strangers. He used to say that if we only stick to people we already know, our world stays small.

(意訳)彼は見知らぬ人との交流の有益性をかなり重視していました。 よく言われましたが、 もし、既に知っている人とばかり付き合っていたら、自分たちの世界は狭いまんまだぞ、と。

 いやあ、このフレーズには感激しましたね。私自身、人間の悩みの8割は「人間関係」だと思っているからです。昔の人たちは、何かあった時、よく出家したり、俗世間(=人間関係)から断ち切ったりしましたが、それは究極的な例でしょう。現代でも稀です。学校でも職場でも、何とか辻褄を合わせて、生きていくしかありません。

 学校や職場など、付き合わざるを得ない人間関係は、その場所から離れたり、時間が経ったりすれば解消出来ます。しかし、それとは違って、長らく親しんだ友人や恋人、愛人、夫婦関係は、なかなか難しい。たまにヒビが割れたり、音信不通になって絶交したりする場合があるからです。こちらは、さらに厄介です。自分の信用や信頼が裏切られたと思い、傷つくからです。いくら自分自身が誠意に接していても、相手が心変わりしたり、見方を違って誤解されたりしてはどうしようもありません。自分は変わることが出来ますが、他人を変えることは出来ません。まあ、そこに悩みや生じるのですが…。

 特に長年付き合って来た親友から「裏切られ」たりすると悲惨です。しかし、物は考えようで、「去る者は追わず、来るものは拒まず」の精神でやれば、何とか乗り切ることが出来ます。

もう無理はしない

 そんな時に、先ほどのフレーズが私自身の心の奥底に響きました。40年、50年と長年付き合ってきた親友は大切かもしれませんが、拘ってはいけないのです。身も蓋もない言い方ですが、所詮、赤の他人(別の人格という意味)なのです。心に残る興味深い本や面白い人を紹介してもらった、とか、これまでの親交については、感謝しなければいけませんが、これからまた新しく、違う友人が見つかるかもしれません。

 いや、むしろ、積極的に見知らぬ人と付き合いをする機会を作って、友人をつくるべきではないか、と私は思い直しました。若い頃は、歳を取ったらもうお仕舞い、かと思っていましたが、60歳になっても、70歳になっても新しい親友が見つかり、これまでとは全く違った世界が開けるのではないかと思ったのでした。

 歳を取っても新しい世界が開けると思えば、ワクワクして来ます。実際、私自身もそうですし、私の身近にもそういう人がおります。

 勿論、もう人間関係には煩わされず、心静かに、穏やかに、独りで過ごすという選択肢もあります。いずれにせよ、もう無理はしないということです。無理したりすれば、帯状疱疹になっちまいますぜよ。

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