学生時代からの友人のT君が先日、閉鎖病棟から退院しました。アルコール中毒の疑いがあったからでした。親友ですから、私は彼に何度も連絡を取りましたが、殆ど返信がありませんでした。閉鎖病院なので、スマホの使用が制限されていたのでしょう。
彼が入院して3カ月経ち、そろそろ退院した頃だろうと思い、痺れを切らして、こちらからまたしつこく彼に連絡したのですが、今度は「退院しましたが、今は取り込み中なので、落ち着いたら」という返事なのです。何か変だな、と思いました。
そしたら、2日経ってやっと返信がありました。何と「引越した」というのです。彼は新住所を送って来ました。「何があったんだろう?」と思い、この新住所を検索してみました。そしたら、直ぐに「回答」出て来ました。そこは、「3食昼寝付き」の住宅型有料老人ホームだったのです。私は訝しく思いました。たとえアル中だったとはいえ、彼は料理が得意だったからです。得意どころではありません。彼は、非常に何でも凝るタイプなので、独学で高級料亭並みの懐石料理まで作っていたからです。
そんな彼が何で、3食付きのホームに入居する必要があるのか? 料理が嫌になったら外食でもいいじゃないですか…。彼は、その点、ほぼ自覚済みで「どうも行政と業者が結託しているみたいなんだよね。でも、死ぬまでここにいるわけじゃないから」と言うのです。
何だ、これじゃあ、「貧困ビジネス」じゃないか!と私は思いました。貧困ビジネスとは、AIに聞くと、「生活に困窮している人々の弱みや情報格差に付け込み、貧困から脱却させることなく不当に利益を搾取する悪質な事業行為のことです」と答えてくれます。
私は、人生とは幸福を追求することpursuit of happinessだと思っていますが、自分一人だけが幸福になっても少しも面白くありませんし、それは間違っています。せめて、少なくとも自分の周囲の人も一緒に幸せになってほしいと思うのです。
親友のT君は波瀾万丈の生涯を送ってはおりますが、早く自分の意志に目覚めて、そんな貧困ビジネスから抜け出して、幸せな生活を送ってほしいと願うばかりです。


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