4年ぶりにリニューアルとなった東京・両国の江戸東京博物館に昨日、行って参りました。私の大好きな博物館です。再開を待ち望み、大いに期待して行ったのですが、連休の狭間の平日午前に行ったにも関わらず、大混雑でした。暇人が多いなあ〜。当日切符を購入するのに、何と30分以上も並びました。もう売り切れたようですが、事前に前売り券をお買い求めになることをお勧めします。
私は、並ぶのが大嫌いなので、独りで行かなくて正解でした。Sさんをお誘いしたら、「いいですよ〜」とお付き合いしてくださったので、並んでいる間中、ずーとお喋りをして、時間が経つのを忘れさせてくれました。
薄口評論家の投資術
何の話をしていたのかといいますと、勿論、「天下国家」の話です(笑)。国際情勢から世界経済、そして、右翼雑誌が「百点満点」を付けている高市政権批判といった話です。私は、一昨日読了した「杉村太蔵の『骨太』投資術」(文藝春秋)の話をしました。この本は買ったわけではなく、家人が図書館から借りて来ていたので、ついでに読んだものでした(すぐ返却しました)。
杉村太蔵(46)さんといえば、「小泉チルドレン」として当時(2005年)、最年少の26歳で衆院選に当選し、初登院のインタビューで「早く料亭に行きたい」と発言して物議を醸しましたが、その後、タレントに転じ、「薄口政治評論家」として、テレビに引っ張り凧の人です。その人が「投資家」として本を出し、今、かなり話題になっています。
Sさんは、テレビを見ない人なので、杉村さんのことを全く知らず、そもそも投資関係の本は読まない主義の人なので、私が調子に乗って、この本の内容を説明しました。
トイレ掃除から株式調査部へ
経歴から、杉村さんという人は、大変失礼ながら、信用のおけない口先だけのチャラ男かと思っていましたら、かなりの苦労人でした。団塊ジュニア世代の就職の超氷河期世代ということで、しかも、大学を中退してしまったので、30社以上入社試験に落ち、派遣社員として入った会社の仕事はビルのトイレ掃除でした。そこで、与えられた仕事を一生懸命こなしていたら、ビルに入居していた外資系証券会社の社員に声をかけられ、話をしているうちに、その会社の契約社員の試験を受けて合格し、最初は雑用係から株式調査部に配属され、ゼロから勉強したことが今の投資家としてのスキルを身につける原点になったといいます。この本では、経済指標のツボを押さえている感じでした。
・日本のGDPは約600兆円、米国はその8倍の約4800兆円、中国はその5倍の約2900兆円。
・東証(4000社)時価総額は約800兆円、企業内部留保は約601兆円(うち預貯金は約300兆円)、個人金融資産は約2000兆円(うち預貯金は約1100兆円)
日経平均は8万円に?
杉村氏によると、この有り余る個人金融資産の1100兆円(預貯金)を株式投資に回してくれたら、今の6万円の日経平均株価が8万円に値上がるというのです。そして、具体的に投資銘柄選びに参考になる最も重要な資料が、毎年6月に発表される内閣府の経済財政諮問会議の「骨太の方針」だといいます。この骨太の方針により、各省庁の予算編成が振り分けられ、年度末の予算が決まります。この骨太の方針とともに重要な資料が年末に発表される「税制改正大綱」だといいます。
私は投資家ではないし、今後も投資家にならないのですが、ジャーナリストとして、世の中の「カラクリ」を知ることが大好きです。投資家の皆さんが、「骨太の方針」と「税制改正大綱」を眼光紙背に徹するほど熟読していたことをこの本で初めて知りました。
杉村氏はこの本で具体的な銘柄などを挙げていましたが、私は投資はしないので読み飛ばしました。都心のマンションの売却益で2億円も儲けるなど、自分が投資家として呼ばれることを誇りに思っていることを臆面もなく開陳していましたが、やはりチャラ男の性格は治っていないなあと思いました。しかし、また大変失礼ながら、彼がこれほど勉強家だとは知りませんでした。参考文献として、ハンス・ロスリング「ファクトフルネス」、リンダ・グラットン、アンドリュー・スコット「ライフシフト」、マイケル・ポーター「競争戦略論」などを挙げていました。
ただし、私は、彼が言うように、日経平均が8万円になるとは思えません。そりゃ何十年後になるかもしれませんが、私はもうこの世にいないことでしょうから、預かり知らぬことです(笑)。
東証の7割は外国人投資家
入場切符を買う長い列に並んでいる間、Sさんは黙って私の話を聞いてくれましたが、Sさんは、世界経済のカラクリに精通したエコノミストなのに投資には手を出さない人なので、冷静でした。「経済の先行きなんて、誰にも分かりませんよ。プロだって分からないんですから!」「株式投資は賭博みたいなものです」「新NISAなど政府が賭博場を開いているようなもので、間違っていますよ」「GDPは経済の実体を反映していません。数字はいい加減なもんです。日経が6万円になっても、ほとんどの日本人が豊かになったと実感していません。なぜなら、東証プライムに投資している7割ぐらいが外国人投資家なんですから」と、寸鉄釘を刺すような言葉で教えてくれました。
私もSさんの意見には大いに賛同します。
あれ? 本日は、江戸東京博物館の話が出来ずに終わってしまいましたね。また、次回ということで…(苦笑)。

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