映画「ネタニヤフ調書 汚職と戦争」を観て来ました。うーーん、凄いドキュメンタリーでした。
日本では、昨年11月にロードショー公開されましたが、私はその頃、不勉強だったのか、あまり注目しておらず、「二番館」に回って来た本日、東京・池袋の新文芸坐で慌てて観て参りました。文芸坐は、半世紀ぶりぐらいです。すっかり変わってしまいましたが、昔は、2本立て100円で観られました。映画好きでしたから、中学生の時から通い詰めました。地下は邦画で、小便臭い館内で、ヤクザ映画ばかりやっていた記憶があります。1階は洋画で、「ロミオとジュリエット」や「ブラザー・サン、シスター・ムーン」「イージー・ライダー」「真夜中のカウボーイ」なんか観たなあ〜(年齢が分かってしまいますね)

「ネタニヤフ調書」は、ガザ、イラン、レバノン…と、今でも盛んに戦争(ジェノサイド)をけしかけているイスラエルのネタニヤフ首相の汚職疑惑捜査を警察が隠しカメラで撮影した映像と、周囲の人間の「証言」を繋ぎ合わせたドキュメンタリーです。
まず、私だけかもしれませんが、ベンヤミン・ネタニヤフ首相の汚職(収賄罪)に関してはほとんど知りませんでした。また、ネタニヤフの妻サラはさらに強欲であからさまに贈り物を要求し、政治や人事にまで口を出していたことをこの映画で初めて知りました。また、二人の長男ヤイルは、父親より過激な極右思想の持ち主で、父親のやり方は生ぬるいと口出ししたりします。よくある話ではありますが、あれだけ周囲の証言を含めてネタニヤフ一族の汚職が白日の下に晒されてしまうと、深刻さを通り過ぎて滑稽にさえ見えてしまいました。
収賄の贈り物と言っても、ハリウッド映画の大物プロデューサー、アーノン・ミルチャン(代表作「ボヘミアン・ラプソディー」)らユダヤ系米国人から高級葉巻やシャンペンなどをプレゼントさせ、妻サラには豪華なダイヤ付きブレスレットといった他愛のないものですが、このほか、人気ニュースサイト「ワラ」のオーナー、シャウル・エロヴィッチの通信会社に巨額取引を政府規制で承認し、その見返りに、ニュースサイトの編集長を更迭して、ネタニヤフ政権に都合の良いニュースしか掲載させないようにしたりします。
さらには、パレスチナ・ガザ地区を実効支配しいた武装組織ハマスに対して、ネタニヤフは、秘密裏にカタールを通して資金援助したりしていたのです。

イスラエル警察の捜査は2016年に始まり、ネタニヤフは19年に起訴され、20年に裁判は開始されましたが、ハマスによる奇襲等で延期されたりしていまだに継続中だといいます。その間、ネタニヤフは政権を維持するために、極右政党と手を組んで、ガザ戦争やイラン、レバノン戦争に邁進することになります。とにかく、ネタニヤフは権力を手放すと、その途端、刑務所に拘留されることは分かっていますから必死です。どんな手段を使ってでも選挙で勝たなければならないので、平気で嘘をついて逃れている様をこのドキュメンタリーで捉えています。
当然のことながら、この映画は本国イスラエルや、ユダヤ系が多い米国での公開は禁止されているようなので、日本でこうして、観られることだけでも貴重な体験でした。

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