7月21日投開票の第27回参院選は、マスコミの事前調査通り、「自公過半数割れ」に終わりました。これら大幅に議席を減らした自民・公明の票が何処に向かったかというと、野党第一党の立憲民主党ではなく、国民民主党と参政党でした。これも事前のマスコミ調査の予想通りでした。
SNSとは違い、地道な取材活動を続けているマスコミは捨てたもんじゃないということです(苦笑)。しかし、開票後に判明した議席に関して、テレビで見る限り、党首らに対するマスコミの質問は「この結果に、一言お願いします」なんて、全然踏み込んだものではなく、がっかりしました。甘い、甘い。もっと鋭い質問が出来ないもんでしょうか?
むしろ、海外メディアの方が、踏み込んだ報道していました。フィナンシャル・タイムズやロイター通信などは、特に参政党を取り上げて、「極右政党」「外国人排斥主義」と堂々と明確に報道していました。日本のマスコミは弱腰です。
参政党は今回、選挙区7、比例区7の計14議席も獲得し、大幅に躍進しました(改選前1議席)。色んな分析がされていますが、生ぬるい自公政権に嫌気がさした元々自民党支持者の受け皿になったこと、「日本人ファースト」政策で、ワリを喰った40代後半から50代始めの就職氷河期世代に「救世主」として受け入れられたというのが大方の見方です。
しかし、私は、先日、この渓流斎ブログで取り上げましたが、参政党の躍進に関しては、危機感を抱いております。ポピュリズムの成れの果てを感じます。7月22日付朝日新聞朝刊によると、参政党に投票した人の中には、ユーチューブを見て、れいわ新選組に入れようとしたら、自分の選挙区に候補者がいないので、神谷宗幣代代表の演説を聞いて感心した参政党に投票したという人(長野県松本市の63歳の会社員男性)がおりました。れいわと参政党では、主義主張がまるで違いますし、左右両極端のはずです! しかし、彼は主義主張どころか政策にさえ関心がないといいます。その場の雰囲気、その場の感性(フィーリング)で投票するのでしょう。こんなんでは、はっきり言って衆愚政治ですよ。ですから、参政党に投票した有権者の殆どが、同党が作成した「新日本憲法」は見たことも、読んだこともないと思われます。この機会に是非読んでもらいたいです。
参政党と新興宗教との関わり
そんな折、旧い友人のM君から久し振りに電話があり、「識者の渓流斎さんにお伺いしたいのですが、参政党のバックにカルト教団がいるというのは本当ですか? 彼らの動画を見ていたら、40代ぐらいのおばさんたちが踊りながら、『サンセートー』とシュプレヒコールを上げていて、何か気持ち悪い。まるで、オウム真理教みたいだった」と言うのです。
私もそれに近いことを感じていました。ネット上で某新興宗教との関わりも出ていたので、個人的に彼にその教団名を伝えておきました。
それでも気になっていたので、本日発売の「週刊現代」を購入して来ました。「参政党『躍進』を支えた新宗教と裏ガネ疑惑」という記事があったからでした。この記事書いたジャーナリストの河野嘉誠氏によると、参政党との連関が取り沙汰されている「新宗教」とは、聖書を独自に解釈し、国粋主義的な側面を持つ「キリストの幕屋」という教団なのだそうです。その教団の伝道師に師事した赤塚高仁氏がヤマト・ユダヤ友好協会を創立して、会長を務め、その協会の理事として、参政党の神谷宗幣代表が2022年頃まで務め、同協会主催のイベントでも講演していたといいます。
また、参政党の収支報告書を精査すると、政治資金規正法違反に該当する恐れがある記述があることもこの記事には書かれていました。
参政党は参院で10議席以上を獲得し、参院で予算を伴わない法案を単独で提出することが可能な「国政政党」になったわけですから、今後も注視していかなければならないと思っております。
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