それでも貴方は参政党に投票するのですか?

7月8日、大井町駅前で演説する参政党所属のさや氏( Wikimedia Commons) 歴史
7月8日、大井町駅前で演説する参政党所属のさや氏( Wikimedia Commons)

 世間の皆さまにとってはどうでも良い話ですが、小生、本日7月18日、誕生日を迎えることが出来ました。中途半端な年齢なので、何歳になったのかは省略しますが、どうも誕生日が近づくと、何歳になってもソワソワするといいますか、落ち着かない日々が続きます。そんな不安定な精神状態が今日で解放されると思うと万々歳です(笑)。

 本日で参院選投開票が2日後になってしまいましたね。ですから、話題としては、やはり、参議院選挙が、今が一番相応しいことでしょう。中でも、一番取り上げなければならないことは、参政党の動向です。「日本人ファースト」を大々的に推し進める極右政党と言っていいのですが、新聞もテレビもそこまで報じません。ただし、オールドメディアがこの政党に対して批判的なのに対し、ネットメディアはかなり好意的です。それが、現在、参政党所属の国会議員が5人、地方議員が151人という一大勢力になって現れています。今回の参院選でも議席を伸ばすことが確実視されています。

月10万円の教育給付金

 まずは、参政党が有権者に支持されている政策は、①「消費税の段階的廃止を進め、国民負担を直接軽減。国民負担率を35%以内に収める」②「子育て世代に対して月10万円の給付金を支給」③「2050年には食料自給率を現在の38%から100%達成を目指す」④「自然生態系や貴重な水資源などのを維持」⑤「外国人への生活保護支給を停止」ーといったところでしょうか。支持層は就職氷河期世代や若者世代だと言われています。中には、もともと自民党支持者ながら、中道寄りになった現在の自公政権に嫌気がさして、より保守色の強い政党に行き着いた人、外国人の進出で進学も就職もうまくいかずに社会的弱者となってしまったと信じ込んでいる人がいるといいます。そういった彼らにとっては、参政党の政策は、耳触りが良く感じられるのでしょう。

天皇を元首とし教育勅語の復活

 しかしながら、一方のオールドメディアは参政党にはかなり批判的です。例えば、日本に滞在する外国人は2004年は197万人だったのに対して、2024年は約2倍の377万人に増えましたが、刑法犯認知数は256万人から74万人に減少、刑法犯検挙件数も3万2000人から1万3000人に減少しているのです。在日外国人の犯罪は確実に減っているのです(7月18日付毎日新聞)。

 何と言っても問題にしたいのが、参政党が創憲したという「新日本憲法」です。天皇を元首とし、教育勅語を復活して、神話や道徳教育を重視するといったもので、戦前の大日本帝国憲法の復活を試みています。オールドメディアでも連日のように取り上げられる参政党の神谷宗弊代表は、あの悪名高い治安維持法を正当化する発言をしたり、東京都候補のさや氏は、選挙運動の最中に「核武装が最も安上り」と演説したり、徴兵制の復活を主張したりしています。

 参政党支持者は、ほとんど新聞やテレビといったオールドメディアには接していないので、こうしたオールドメディアによる参政党批判報道は、目にも耳にも入ってこないことでしょう。

 でも考えてみてください。徴兵制復活で真っ先に戦場に行くのは若者です。台湾有事になれば、富裕層は逃げるでしょうから、まず徴兵されるのは、社会的弱者と呼ばれる参政党支持の若者です。参政党員の政治家さんは、うまく立ち回って戦場には行かず、安全地帯である大本営の作戦会議室に籠っています。

人権思想がない新日本憲法

 もう一つ、参政党の新日本憲法の一番の問題点は、上から押し付ける義務事項の羅列で、国民(参政党は「国民」という言葉を使わず、「君民」と呼んでいますが)の権利を全く保障していないことです。現在の日本国憲法が保障している「法の下の平等」(14条)も、「思想及び良心の自由」(19条)も、「信教の自由」(20条)も、「表現(言論)の自由」(21条)もないのです。これはかなり危険な思想です。プーチン大統領が驚くようなネオナチと言っても良いでしょう。日本は世界で唯一の被爆国であるのに、戦後80年経ち、戦争の悲惨さと苦しみを継承せず、他人事としか考えていないから参政党は堂々とこのような主張が出来るのでしょう。参政党の支持者層は、こうした参政党の本性が分かった上で支持しているのでしょうか?

 それでも、貴方は参政党に投票するのですか? もう一度、冷静になって考えてみてください。

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