「戦争は平和なり」 SNSが支配する世界

高市首相(左)とトランプ米大統領(2025年、米海軍横須賀基地)(出典 Wikimedia commons)(本文とは関係ありません) 雑感
高市首相(左)とトランプ米大統領(2025年、米海軍横須賀基地)(出典 Wikimedia commons)(本文とは関係ありません)

 先日の衆院選で、私自身は、旧い人間なので、SNSの選挙動画を全く見ませんでしたが、選挙情報サイト「選挙ドットコム」によると、選挙期間中に関連したYouTube動画が約9万本投稿され、約28億回も再生されたといいます。1人が20回以上見ているという単純計算ですか…。前回2024年の衆院選の時の10倍だそうで、私は「ヒョエー」と恐ろしくなりました。

「YouTubeを制するものが、世界を制する」

 朝日新聞(2月23日付朝刊)がこれらの動画を分析したところ、高市首相に「肯定的」だったのが5割、中道改革連合に関して「否定的」だったのが8割だったということで、そのまま投票結果に表れた感じです。

 今や、まさに、「YouTubeを制するものが、世界を制する」時代になったということなのでしょう。

新聞の信頼度は11.1%

 ちょっと古い2024年12月の調査ですが、電通マクロミルが、15歳から46歳までの男女2000人にネットで「信頼できる情報源」を調査したところ、第1位はテレビ(ニュース)で31.1%、第2位は友達で18.6%、以下③X(旧Twitter)14.0%④YouTube13.6%⑤インスタグラム11.9%の順で、新聞はかろうじて第6位に入ったものの、わずか11.1%しかないのです(これ以外にラジオや雑誌も含めて、「この中に信頼できる情報源が一つもない」と答えた人は、何と24.8%!)。

 私は新聞出身のジャーナリストなので、この結果はかなり衝撃的です。

 なぜなら、新聞を信頼している人が、わずか11.1%なら(今更ではありますが)新聞離れが如実に現れていることになり、特に若い人がそうなら、将来、(紙の)新聞を読む人間がいなくなってしまうのではないかと危惧するからです。

 若い人は、「別に新聞なんかなくなっても構わない」と思っている方も多いかもしれませんが、素人筋の投稿で成り立っている、また、裏を取らない信頼度が低いSNSだけの世の中になれば、その弊害が気づかれない前に、恐ろしい世界が忍寄って来ることでしょう。

 それは、シンギュラリティを超えたAI時代になった時も同じように言えます。

 私は預言者ではないので、どのような弊害の時代になるかは正確に予言できませんが、例えば、「簡単な漢字が書けなくなる」とか、「明日やるべき大事なことを忘れ、スマホで検索する」といった日常的な弊害でしたら、スラスラと言えます(笑)。「それは単なる老化現象だろう」と言われれば、それまでですが、若い人も同じように、簡単な二桁の暗算すら出来なくなっている人も多いことでしょう。

 「世の中、便利になればなるほど、不便になる」という抽象的な言い方が、今は一番合っていると思います。

不安定な国際情勢

 しかも、ロシアによるウクライナ侵攻が24日で4年目に入り、トランプ米大統領もイラン攻撃を画策しており、国際情勢が不安定な状況です。

 ジョージ・オーウェルの近未来小説「1984」に出て来る真理省の巨大ピラミッド建築の壁画に掲げられた三つのスローガンである

 戦争は平和なり

 自由は隷従なり

 無知は知なり

 を思い起こさせます。

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