NHKの「知的探求フロンティア タモリ・山中伸弥の⁉」という番組の第1回「AIは人間を超えるか」で、最新のAI(人工知能)の研究成果が紹介されていました。
一番興味深かった話は、AI研究の第一人者といわれている東大大学院教授で日本ディープラーニング協会理事長でもある松尾豊氏が「『知能の本質』とは『予測能力』のことだと思う」と発言していたことでした。生物は生き延びるために、捕食者に捕まらない、また、見つからないように、捕食者が何処に隠れているのか予測しなければなりません。そんな予測能力が高い動物ほど生存率が高くなるからです。
知能とは予測能力のことだ、という前提で開発されたのが生成AIです。AIは、文章の意味も、それに込められた感情も分かっていないのに、次の単語を「予測」して文章を作成していることになります。AIに何百億、何千憶個の文章をインプットして、繰り返し、繰り返し覚えさせて出来た文章というものは、単に次に来る単語を予測しているだけだというのです。
これには「へ~」と感服してしまいましたね。人間も幼児から言葉を覚える際、意味も分からず、親や周囲の反応で少しずつ体得していきます。失敗したり、誤解したりしながら修正していきます。
5年以内に知能は解明される?
私は、知能とは記憶力のことだと思っておりましたが、人工知能となると、既に全体が記憶装置そのものです(笑)。その後の文章を作ったり、絵を描いたり、写真を合成したりするアウトプットとなると、「こうなるはずだ」という予測能力が最も肝心になるということなのでしょう。逆に言うと、意味も分からず、予測しているだけだったのですか。
松尾教授は「複雑な生命の起源を解明するよりも、知能を解明する方が簡単です。早ければ5年以内に実現するかもしれません」とも発言しておりましたが、あり得ない話ではないかもしれません。
AIは気持ち悪い?
今や、現代人は、記憶に関してはスマホに丸投げして、親友の電話番号すら覚えようとしません。残る予測能力までAIに丸投げしてしまっては、もう人間としての存在意義もなくなってきますよね。私自身は、既にNHKがAI音声を使って、ニュースを読み上げていますが、聞いていて気持ち悪くてしょうがありません。
自分の人生の進路も結婚相手もAIで決めてもらう人も増えてきたといいます。人生には失敗や挫折がつきものですから、なるべくそれらを避けたいという人間の「予測能力」がそうさせたのかもしれませんが、やはり、気持ち悪いですね。あくまでも個人的な感想に過ぎないのですが。
コメント