「高齢者は集団自決しろ」と発言した成田悠輔さんに与ふる書

成田悠輔氏 Wikimedia 雑感
成田悠輔氏 Wikimedia

  「高齢者は老害化する前に集団自決、集団切腹みたいなことをすればいい」ー。30代の若き経済学者、成田悠輔さんという人が、2021年12月17日に放送されたインターネットテレビ局「AbemaTV」に出演して少子高齢化や過疎化などについて出演者らと議論する中で言及しました。その約2年後の2023年2月に米紙ニューヨーク・タイムズという「オールドメディア」がこの発言を報じたことによって初めて知る人が現れ、日本国内でも物議を醸しました。海外のメディアを通して初めて知るといった、まさに黒船来襲みたいな恰好でしたが、この発言は、私の脳裏に刻み込まれ、いまだに忘れられません。

感情的に許せない発言

 私は成田さんのちょうど親世代に当たる高齢者なので、感情的に「許せない」という気持ちが先行しました。それに、東大を出て、マサチューセッツ工科大学で博士号を取った大変頭が良いとされる優秀な人間なのに、「集団自決」などという沖縄や樺太や満洲などで行われた悲惨な歴史を知らないのか、比喩として軽々に使うことは卑劣ではないか、という憤りが個人的にもありました。

 この成田さんの物議発言から2年が経過し、「人の噂も七十五日」という世間で忘却された間隙をぬって、今や「月刊文藝春秋」や「週刊現代」など大手マスコミが彼の論文を採用したり、本を出版したりするので、私はこれらの媒体はもう二度と買うのはやめようと思っておりました。内容はともかく金儲け主義に走っているからです。

竹中平蔵さんにも引退勧告

 でも、私は、この成田さんを批判するということで、最近流行りの生成AIを使って彼のことを調べてみました。すると、彼は決してエリート出身の家庭で育ったわけではなく、恐らく私と同年代の彼の父親は大酒飲みの博打好きで多額の借金をつくって失踪し、母親も脳出血で倒れて下半身不随になってしまったといいます。そして彼の偉いところは(と急に手の平を返しますが=笑)、あの竹中平蔵さんに「竹中先生も早く引退されたらどうですか」といった趣旨の発言を面と向かってされていたというので、「これはなかなか骨があるやつだなあ」と見直してしまいました(笑)。

とにかく、商売、商売

 「集団自決」発言は彼一流のレトリックで、物議を醸し出して、とにかくマスコミに売れて目立つことが目的だったのではないかと思われます。まさか、成田さんは、高齢の自分の両親に向かって「集団自決しろ」と言えないでしょうし、これから何十年後かに彼が高齢者になった時、自分より若い世代から「あんた、昔、高齢者は集団自決しろ、と言った人じゃなかったの?」と逆襲される危険も想像していなかったと思われます。

 結局、彼の発言は、商売、商売です。言論屋という商売です。マーケットは日本です。彼は複雑な家庭環境で育ち、へこたれないからこうしてまた臆面もなくマスコミに再登場したのでしょう。実に偉い。気骨のある人間です。新著「22世紀の資本主義 やがてお金は絶滅する 」(文春新書) がベストセラーになるはずです。

 あれっ? 天下の人気ブログで宣伝してしまいましたね(笑)。

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