認知の歪み

Distortion付のエレキギター用エフェクター 雑感
Distortion付のエレキギター用エフェクター

 北海道にお住まいの友人A君に野暮用がありまして、メールで問い合わせしたのですが、ラチが明きません。1週間後、痺れを切らして再度、メールしたところ、「実は、cognitive distortion でして…」と返信がありました。

cognitive distortion

 cognitive distortion コグニティブ・ディストーション? 聞いたことありませんね。ディストーションは、エレキギターのエフェクター(音響効果機器)の「ひずみ音」のことをいいますから、意味は分かりますが、「認知のひずみ」ってどういうこと?

 早速調べたら、cognitive distortionとは「認知の歪み」と翻訳されていて、今では精神疾患の一つとして認知されているようです。はい、わざと「認知されている」という言葉を選びました(笑)。

 ネット上では、精神科医や心理療法士らが、この疾患について多く解説されていますが、取り敢えず、最近とみに出典銘記と中立的記述で質が向上してきたWikipediaを補完しながら、参考にしたいと思います。えっ?操觚者もWikipediaなんか使うんですか?というご質問にはお応えしかねます(笑)。

 「認知の歪み」とは、誇張的で非合理的な思考パターンを指す用語で、この概念は、米国の精神科医で鬱病の認知療法の創始者アーロン・ベック(1921~2021年)が基礎を築き、彼の弟子である米国人精神科医デビッド・D・バーンズ(1942~)がその研究を引き継ぎました。認知の歪みを最も有名したのはバーンズが1989年に出版した「フィーリング・グッド・ハンドブック」で、これら誇張的な認知パターンやそれらを除去する方法などが記されています。

 バーンズは、認知の歪みについて、①「全か無かの思考」②「~すべき思考」③「行き過ぎた一般化」④「心のフィルター」⑤「マイナス化思考」など10パターンを挙げています。

 具体的に言いますと、①の全か無かの思考とは、物事の全てを白か黒かで認識するという誤った二極化をすることで、少しでもミスがあれば完全な失敗だと考えることを指します。

 ②の~すべき思考とは、例えば、「人は、他人に尽くさなければならない」「私は、全ての人に愛されなければならない」といった極端な思考法です。③の行き過ぎた一般化とは、例えば、「彼女は今日私に挨拶をしてくれなかった。きっと私を嫌っているに違いない」といった度を超えた考え方。④の心のフィルターとは、物事全体のうち、悪い部分の方へ目が行ってしまい、「試験で100問中17問も間違えた。自分は落第するに違いない」などと考えてしまうことです。

 ⑤のマイナス化思考とは、上手くいったら「これはまぐれだ」と思い、上手くいかなかったら「やっぱりそうなんだ」と考え、良い事があったことを無視してしまうばかりか、それを悪い方にすり替えてしまう思考パターンです。バーンズによれば、これが認知障害の中でも最もたちが悪いといいます。

ウィキペディア「認知の歪み」から補綴

 えっ!? 驚きです。

自分もcognitive distortionだった

 占いではありませんが、私はほとんどこれらの思考パターンに当てはまります。ということは、私自身もcognitive distortionだったわけです!

 認知の歪みとは、一言で言えば、「マイナス思考」とか「ネガティブ思考」とかいわれるものです。別に10個のパターンに細分化する必要もないと思いますが、学問としてここまで体系化しているとは思いませんでした。

 認知の歪みを除去する方法として、バーンズ氏は、認知行動療法を推奨しておりますが、私のような認知の歪みの可能性がある者にとっては、そんな対処法すら「治らないんじゃないか」とネガティブに考えてしまいます。まさに、遺伝(DNA)だから仕方がないと思っているからです。これも、何でも遺伝だと考える思考パターンも認知の歪みかもしれませんが(笑)。

「これではいけない」と心掛ける

 ただ、マイナス思考やネガティブ思考に陥った時、「これではいけない」と我に返って思い直すようにすることは出来ます。そういう「心掛け」を知っただけでも、今回聞き慣れないcognitive distortionを調べたことで得た収穫だと思っています。

これから、私は、cognitive distortionとは、「悪い考え方の癖」だと認知することに致します。

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