「散策できる日本一の桜回廊」見沼田んぼ

見沼田んぼの桜回廊 歴史
見沼田んぼの桜回廊

  桜見の季節です。さいたま市に「見沼田んぼの桜回廊」というのがあります。「散策できる日本一の桜回廊」、「全長20キロ超え」などと自慢しておりますが、宣伝力不足で全国的にほとんど知られていません。

 まあ、そのお蔭で、私も昨日の日曜日(4月7日)、それほど人混みに悩まされることなく、ゆっくりと見事な満開の桜を観賞しながら散策できました。しかし、20キロはあまりにも長すぎる! 頑張れば5時間ぐらいで歩けるかもしれませんけど、本末転倒になるかもしれません。御自分の体力に合わせて、一部分だけ散策されるのが一番でしょう。

 私も1キロほど歩いただけでした(笑)。

見沼田んぼの桜
見沼田んぼの桜

  全長20キロにも及ぶ桜回廊の場所は、北端はJR宇都宮線の東大宮駅辺りです。途中で大宮第2公園やサッカーJ1の浦和レッズのトレー二ンググラウンド「大原サッカー場」、見沼自然公園などを通り、南端はJR武蔵野線の東浦和駅辺りです。地図は、さいたま市が作成したサイト「見沼田んぼの桜回廊」の掲載されていますので、そちらをご参照ください。

 このサイトによると、見沼田んぼの桜回廊は、昭和60年代の行政による「桜並木造成事業」から始まったとあります。意外と歴史が浅いんですね。だから、全国的にまだ知られていないのかもしれません。

徳川吉宗が開拓命令

  しかしながら、見沼田んぼというのは、実は、八代将軍徳川吉宗の命により亨保12年(1727年)に治水家・井沢弥惣兵衛為永(いざわ・やそべえ・ためなが)により開拓された歴史のある田んぼなのです。吉宗の時代辺りから江戸の人口100万人というロンドンを抜いて世界一の大都市になり、食糧の増産が喫緊の課題になりました。見沼田んぼの桜回廊近くには一部、農業用水である見沼代用水が今でも流れていますが、これは、利根川から約60キロに渡って引かれた用水だということです。(「見沼田んぼの歴史」

見沼田んぼのアブラナ
見沼田んぼのアブラナ

 八代将軍徳川吉宗は、飛鳥山や墨田堤などを桜見の名所として庶民に開放した人でしたね。(《渓流斎日乗》2024年4月7日付「江戸時代以来の桜の名所、飛鳥山徘徊記」)亨保の改革で、開拓事業も推進した人でもありました。

 思わぬ歴史散歩になりました。

 散策していたら、真新しいランドセルを背負ったピッカピカの1年生を何人も見かけました。「わざわざご苦労さん」と思いましたが、地元の小学校の入学式は翌日の4月8日だったんですね。親御さんが桜回廊での記念撮影を選んだことになります。一生の思い出になることでしょう。

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