日産の凋落を目の当たりにして

日産ギャラリー Wikimedia Commons 雑感
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 もう10年前ですが、ちょっと病気をしまして、自家用車を処分し、それ以来、ペーパードライバーなので、車に関してはもうほとんど関心がありません。でも、最近の日産自動車の凋落のニュースには心を痛めております。2025年3月期の決算で6709億円の赤字を計上し、世界で2万人規模の人員削減と横浜市の本社まで売却するなどのリストラ策が発表されています。

 私は旧い世代ですので、日産といえばトヨタと並ぶ自動車メーカーで、サニー、ブルーバード、セドリック、それにバブルの頃、高級車シーマは、「シーマ現象」とまで呼ばれるほど人気がありました。スカイラインなんかは警察のパトカーとして使用され、若者の憧れの的でした。それが、どうしたもんですかねえ?

トヨタの一人勝ち

 私は専門家ではないのでよく分かりませんが、技術開発に出遅れたという説が有力です。二輪バイクから四輪に進出した後発のホンダやスズキにすっかりお株を取られてしまったので、その通りかもしれません。

 日本自動車工業会の統計を調べれば、正確な数字が出て来るでしょうが、私は自分の目で確かめたいと思い、自宅近くの住宅やスーパー、コンビニ等の駐車場や、幹線道路を走る車のメーカーをチェックしてみました。そしたら、やはり、圧倒的にトヨタが多いのです。高級車レクサスと、トヨタの子会社になった軽自動車のダイハツを入れれば4割5分ぐらいのシェアを占めています。トヨタの一人勝ちですね。次に多いのがホンダです。これに続くのが意外にもスズキです。これらを追うのが、マツダとスバルで、この後にやっと日産、そして三菱が出て来る感じです。これで、日産車は、あまり売れていないということが分かりました。

 むしろ、高級住宅街でなくても、アウディ、BMW、フォルクスワーゲン、ルノーといった外車を結構見掛けたりするのです。ただし、フォードなどアメ車は見掛けません。これは、私が住んでいる地域の話なので、例えば、広島ならマツダが圧倒的なシェアを占めていることでしょう…。

 そうは言っても、日産の凋落は現場の実地調査でもこうして分かります。幹線道路には、トヨタやホンダは勿論、アウディまで目立つところに販売店がありますが、日産自動車の販売店はあまり見かけません。売れないから販売店まで縮小する悪循環にはまっているということなのでしょう。

ニキサンスケの鮎川義介

 日産は、明治に創業した快進社のダット(出資者の田健次郎、青山禄郎、竹内明太郎の頭文字)自動車を1931年に、鮎川義介が設立した自動車部品会社の戸畑鋳物が買収し、さらに、1934年には、同じ鮎川義介が創業した日本産業の100%出資会社、日産自動車となったという歴史があります。

 長州出身の鮎川義介は、満洲重工開発総裁となり、満洲国の軍・官・財界の実力者「ニキサンスケ」の1人としても有名です。ニキサンスケとは東條英機(関東軍参謀長)、星野直樹(国務院総務長官)、鮎川義介、岸信介(総務庁次長)、松岡洋右(満鉄総裁)のことです。

カルロス・ゴーンは何をしている?

 そう言えば、日産を再建して一時はヒーロー扱いされたものの、超高額給与を懐にして金融商品取引法違反と特別背任の疑いで起訴され、保釈中にレバノンに国外逃亡したカルロス・ゴーンさん(71)とヴェルサイユ宮殿で結婚披露宴を催した妻キャロルさんは今、どうしているんでしょうか?中東情勢が一触即発という不安定な中、日本にいれば良かったと思っているのかもしれません。ま、そんなことないでしょうけどね。

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