温泉の後の禁断の幸せ

見沼天然温泉「小春日和」keiryusai.net 雑感
見沼天然温泉「小春日和」keiryusai.net

 12月だというのに、私の住む関東圏の今日は、日中の気温が18度という暖かさです。北海道の帯広に住んでいた頃、冬はマイナスが当たり前で、未明から早朝にかけてマイナス20度ぐらいになっていましたからえらい違いです。

 この機会を逃すことがない、と本日もまた自宅近くの日帰り温泉に行って来ました。先日もこの温泉のことを書きましたが、平日の午前中に行くと650円という安さですからね。

兵庫県知事の選挙戦の広報活動を「全面的に」引き受けたというPR会社の女性美人社長さんは、200万円もする高級ブランドバッグや、どう見ても数十万円はする金の高級ネックレスや、100万円以上はする指輪をネット上でこれ見よがしに見せつけておられましたが、私の場合は全く逆ですね。「1円を見逃してくれ~」なんて記事を書いたりしていますから…。いつも、貧乏臭くてすみません。

 私が発掘した日帰り温泉は、露天風呂が多いので、真冬の寒い時期では湯冷めしかねないと思われます。そこで、私は天下の素浪人です。好天に恵まれた気温の高い本日、行くことにしたのでした。明日以降、寒くなるという天気予報でしたから、今回が今年最後かもしれません。

 例によって最寄り駅近くからの無料送迎ミニバスに乗り込みました。そしたら、発車寸前に40代ぐらいの男が「ちょっと、30秒待ってくれる?」と運転手さんに声を掛けてきたのです。私は別に先を急ぐ身ではないのですが、1時間に1本の無料バスです。男は30秒では戻って来ず、2分近く経ってやっと乗り込みました。そしたら、バスに乗って5分ぐらい経つと、今度は携帯電話で大きな声で話し始め、挙句の果てには、「ちょっと、急用が出来たのでそこら辺で降ろしてくれる?」と言うではありませんか。

 しかも、降りる時は、明らかに他の客に迷惑を掛けたというのに、「すいません」の一言もなく、「あ、ここらでいい」とか何とか言って、さっさと降りるだけです。こんな人間に出くわすとは、運が悪いと言いますか、あまりいい気持ちはしませんよね? 性善説だけで世の中渡ってはいられません。

老紳士はジョージ・ハリスンと同い年

 そうかと言えば、温泉場に着いてバスを降りて、入り口に向かって歩いていると、後ろから見知らぬ高齢の紳士が「ここらに段差がありますよ」と声を掛けてきました。私が「もう何度もいらしているのですか?」と聞くと、「ええ、栃木のゴルフ帰りによく立ち寄りました。でも、もう81歳ですからね。他に行く所がないんですよ」と感慨深げに言うではありませんか。栃木県ならもっといい温泉がたくさんあるはずなのになあ、と思いましたが、私は「そうですか」と曖昧な返事しか出来ませんでした。

 現在81歳なら1943年生まれです。生きていればジョージ・ハリスンと同い年かあ、と後から計算できましたが、直ぐには思いつかず、紳士が貴重品をロッカーに入れている間、そのまま別れてしまいました。私は財布には1000円ぐらいしか入れてませんでしたから、そのまま通り過ぎました。浴場もいくつかあり、サウナまであり、結構広いので、お互いに確かめることもなく、あれが一期一会の会話で終わってしまいました。

 年を取っていくと、首、肩、腰辺りの慢性的な痛みはもうなかなか取れません。そこで、薬ではなく、温泉療法に頼ることにしました。何よりも温泉に入ると喉が渇きます。平日の昼間から、多くの皆さんがお仕事をしている時、ビールを飲む禁断の幸せを天下の素浪人は覚えてしまったのでした。

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