「人生100年時代のための脳科学~脳と健康寿命の関わり~」第4回「睡眠と健康」を受講

「人生100年時代のための脳科学~脳と健康寿命の関わり~」の第4回「睡眠と健康」 雑感
「人生100年時代のための脳科学~脳と健康寿命の関わり~」の第4回「睡眠と健康」

  12月2日(月)、東京で開催された「人生100年時代のための脳科学~脳と健康寿命の関わり~」(甲南大学・前田多章准教授)の第4回「睡眠と健康」を受講して来ました。全5回の講座の4回目です。私は、この講座のためだけに、わざわざ田舎から都心まで、高い交通費を掛けてバスと電車を乗り継いで出掛けますが、自分ではそれだけの価値があると思っているからです。

アクセス数が少ない!

 嗚呼、それなのに(私はこのフレーズが大好きです)。この講座のことを拙ブログに取り上げても頗るアクセス数が少ない! 皆さん、健康にはそれほどご興味がないものと判断致しました。それなら、それでよござんす。篤志家の皆さんだけに情報を提供することに致しましょう。

 第4回「睡眠と健康」は、第1回「健康であること」などと重複する話が結構ありましたが、1カ月近く前の第1回の講義は忘れている人が多いので、例によって前回までの復習と追加の話に大半の時間が割かれました。聴講者は、18人ぐらいで男女半々、平均年齢75歳ぐらいといった感じでしょうか。

イリシンを誘発

 まず、第3回「運動と健康」で説明がなかったことを特記しておきます。何故、運動すると健康に良いのかという仕組みです。それは、運動をすると、BDNFと呼ばれる脳由来神経栄養因子が出てきて、膜タンパク質であるFNDC5が増加し、運動ホルモンであるイリシンを誘発します。このイリシンは、アルツハイマー病の原因と言われるアミロイドβ(ベータ―)の蓄積を抑制する働きがあるというのです。この説明で分かる方は少ないと思いますが、頭の片隅に覚えておくしかありません(笑)。

レジスタンス運動とは革命ではありません

 運動には「自発的運動」「レジスタンス運動」などがありますが、散歩やラジオ体操などの軽い運動と腕立て伏せやスクワットなどの高強度(レジスタンス)運動をどちらかではなく両方組み合わせて実行すると効果があるようです。特にレジスタンス運動は、前回説明がありましたように、マイオカインと呼ばれる生理活性物質が出て、動脈硬化のリスクを下げ、癌を抑制する可能性がありました。

野菜は飲むより食べること

 前田先生の講義は、優しい奥様からやり込められた話などちょっと脱線した話の方が印象に残るのですが、「野菜ジュース」の話が面白かったです。確かに野菜ジュースでも栄養素はある程度摂れるのですが、野菜をかじったり、噛むこと自体が運動行為になるというのです。かじることによって、振動が脳に伝わり、咀嚼することによって鼻の奥に匂いの物質が伝わるというのです。へ~と思ってしまいました。

睡眠不足は悪い事だらけ

 そこで、「睡眠」の話でした。睡眠には①脳を休める②心身を修復する③成長を助ける④記憶を強化するー働きがありました。人間には「体内時計」が組み込まれているので、睡眠を取る時間も重要です。成人なら夜10~11時には寝て、朝6~7時に起床するのが成長ホルモンを分泌させる意味でもベストでした。従って、睡眠不足や夜型生活、不規則生活が続くと、①心血管疾患や糖尿病のリスクが高くなる②肥満率が高くなる③風邪を引きやすくなる④骨粗鬆症などを発症する➄うつ病など精神疾患を発症するーといった悪いことづくめです。

キリンさんは2時間しか寝ない?

 睡眠の話で面白かったことは、他の動物の睡眠との比較です。ヒト(人間)は、5~8時間ですが、キリンはたったの2時間、馬も3時間、牛も4時間なのだそうです。かなりのショートスリーパーです。一方のライオンは13時間、虎は16時間で、一日の半分以上は寝ていることになります。これによって、捕食する側は睡眠時間が短く、捕食する側は睡眠時間が長いということが分かります。生物界はうまく出来ています。

忘却もできる

 また、睡眠にはリズムがあって、8時間の睡眠時間の中で、覚醒に近いレム睡眠と深いノンレム睡眠が90分間のサイクルで4回続くというのです。そして、それぞれの役割があって、覚醒に近いレム睡眠の時は、記憶を整理・固定し、記憶を引き出すための作成をしているといいます。その逆に深いノンレム睡眠の間で、嫌な記憶の忘却が行われているといいます。他にもありますが、嫌なことを忘れることは、確かに素晴らしい。嫌なことばかりで頭がいっぱいになると生きているのが嫌になりますからね。

 贈収賄事件の被告人は「記憶に御座いません」というフレーズを繰り返しますが、本人は深く眠って忘却させているのかもしれません(笑)。

寝不足の逆はどうなる?

 配布された資料の3分の1ほどがまたまた時間不足で説明がなく終わってしまいました。次回は最終回なので、質問しようかと思っています。それは、説明がなかった資料の中に適度な睡眠時間として、「6時間未満、8時間以上で健康障害が高い」と書かれていたからです。最近の日本人は「睡眠不足」がほとんどだと統計に表れていますが、私の場合はその逆で、ライオンのようにかなりのロングスリーパーなのです。9時間寝ても眠くてしょうがなく、週末に3時間昼寝したこともあります。併せて12時間!

 寝過ぎると何故、健康に良くないのか、前田先生には是非、来週聞いてみたいと思っています。

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