今月30日付で会社を退職し、来月からフリーランスになるということで、本日は一度行ってみたかった所に行って来ました。
私は、JR京浜東北線で通勤をしている(していた)のですが、行きがけに電車の車窓から見える「荒川」が最も印象に残る景色で、一度、その車窓から見える荒川の遊歩道を歩いてみたいと思ったのです。
荒川は東京都北区赤羽と埼玉県川口市の県境を流れています。川口は、古い映画ですが、吉永小百合さん主演の「キューポラのある街」(1962年、浦山桐郎監督)の舞台になった所です。当時、川口は、鋳物の街として有名になりました(1964年東京五輪の聖火台も川口でつくられました)。大変な名作ですから、一度ご覧になることをお勧めします。この荒川も映画の中で出て来ます。
赤羽は、JRの京浜東北線、埼京線、湘南新宿ライン、宇都宮線、上野東京ラインが止まる城北の一大ターミナル駅で、「千べろ」と呼ばれる安い居酒屋が多い街として知られています。最近、強引な客引きやぼったくり店が急増して治安が悪くなったというので、あまり行かなくなってしまいましたが。
赤羽一番街のOK横丁は、城山三郎著「毎日が日曜日」の舞台になったといわれますが、昼間はさすがに営業していないので、閑散としておりました。
私は無鉄砲ですから、計画も調べもせずに赤羽駅から歩き出しました。荒川の土手まで、歩いて15分ぐらいかな、と踏んでいたのですが、途中で道が分からなくなって25分も掛かってしまいました。河川敷には草野球場が何面もあり、川上の方の北区浮間にはゴルフ場(「赤羽ゴルフ倶楽部」)もあるので、とにかく河川敷は広大です。
9月下旬だというのに真夏の暑さで、なるべく早く荒川を渡って、川口市に行こうと思いましたが、無鉄砲ですから、行き方が分かりません。それに、平日の昼間で、あまり人がおりません。やっと、年金生活者らしい年配の方が散歩していたので、道を聞いたら、このまま真っ直ぐに歩いても橋はなく、遥か川下に見える自動車が盛んに走っている新荒川大橋を通らないと行けないよ、と教えてくれました。
この新荒川大橋のたもとに行くと、看板があり、荒川にはかつて、「渡し舟」があり、源義経が頼朝の呼び掛けで奥州平泉から参戦した際に、渡し舟に乗ったとの説明がありました(「川口の渡し」)。えー、そんな古い歴史があったとは知りませんでした。
橋を渡って、川口市に着き、途中で、大きな神社があったので、何かと思ったら、天慶年間(940年頃)創建の川口神社でした。創建当初は、大宮の氷川神社(武蔵国一之宮)から分社した「氷川社」と呼ばれ、明治になって川口神社と改められたようです。素戔嗚尊や菅原道真公らを祀っていますが、かなり立派な神社でした。
徳川家康が豊臣秀吉の命令で三河から江戸・武蔵国に移封される650年も前からこの辺りに文化があったという証拠です。
私は外から来た旅人とはいえ、川口神社では、これからの「第2の人生」の幸先よい事始めを個人的にお祈り致しました。
そんなこんなで、赤羽駅から川口駅まで歩いたら1時間以上掛かりました。でも、まあ、いい運動、いや、旅行になりましたよ。
私自身、社会人になって、周囲の皆様とは良い御縁を結ぶことが出来まして、会社の同僚だけではなく、他に何人も、何人も送別会を開いてくださいました(これからも)。それに、送別会に出られなかった会社の同僚のAさんなんかは、何と、突然、ドイツ製の超高級クリスタルグラスを贈ってくださったりしたのです。全く意外でしたので、涙が出るほど感動しましたが、正直言いますと、「お返しが大変だなあ」と思ってしまいました(苦笑)。
Aさんも半年後の来年3月に退職する予定です。高級グラスに見合う「お返し」を何にするべきか、本当に頭を抱えて悩んでおります…。
Aidez-moi, s’il vous plait.
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