もうプロの翻訳家はお払い箱なのか?

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 会社定年後、得意の英語を生かして翻訳業を始めた友人のA君から悲痛なメールが届きました。「生成AI翻訳で、翻訳業はもう成り立たない気がします。」というのです。

 えっ? どゆこと?

 彼は、企業やシンクタンクなどの経済英語、ビジネス英語が専門ですが、書籍の翻訳は、1冊で10万円にしかならない出版社もあるそうです。まさに「労多くして功少なし」です。

 何でそんなに安くなってしまったのか? その原因が、AI翻訳の出現です。

友人のA君も、どうやら奮発してdeepl翻訳ソフト、しかもプロ級を導入して使っているそうです。「驚くことに200ページのリポートが5分で翻訳できます。7割くらいは使えます。何が書かれているか基本的に理解できます。あと4、5年もすれば9割になることでしょう。となると、英語や欧州言語の翻訳業は不要になります。」とかなり悲観的です。

 私自身はAI(人工知能)に関しては、かなり懐疑的ですが、もう既に、例えば、仕事でGoogleで何かを検索すると、生成AIによる「回答」がまず最初に出てくるようになりました。

 確かに、最近急増している国際ロマンス詐欺やインプレッション(閲覧回数)稼ぎで、ぎこちない日本語が跋扈しているのは、生成AI翻訳のおかげです。

 もう後戻りできない所に我々は立っています。

 現在の学校教育は、既にタブレットが配布され、それで授業が進んでいるそうですから、そんな子どもたちが大人になった時、世界はどんなになっているのでしょうか?

 書籍による知識獲得の比重が減っていくことは確かでしょう。面と向かったアナログ的な手法も減っていくかもしれません。

 今思い出したのですが、かつて私自身、かなり重い疾患を患った時、30代後半ぐらいの若い医者は私の顔を一切見ようとせず、パソコンの画面の数値ばかり見ていました。

 なあんだ、既に、恐ろしい世界は現実化しているではありませんか!!

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