イーロン・マスク氏が閣僚になる可能性

イーロン・マスク氏 Wikimedia Commons 雑感
イーロン・マスク氏 Wikimedia Commons

 アメリカは日本の宗主国ですから11月の大統領選挙は大いに気になります。

 そんな折、米共和党の候補トランプ氏が、「大統領選で当選した場合、起業家イーロン・マスク氏を閣僚に起用する意向を明らかにした」(8月19日、ロイター電)というニュースには驚きました。

 電気自動車(EV)テスラ等の経営者でX(旧ツイッター)のオーナーでもあるマスク氏は、前回の大統領選では民主党のバイデン氏支持を表明していましたが、今回は急に共和党のトランプ氏に鞍替えしました。しかも、トランプ氏の選挙戦を支援する政治団体に毎月約4500万ドル(約71億円)を献金する」(7月15日付WSJ)ことを表明しましたから、これでは明らかに「論功行賞」ですよ。

 米国は、お金で閣僚ポストが買える!ことを世界中に明らかにしたようなものです。

 まあ、それにしても、「毎月71億円」というのは桁が違い過ぎますね。大谷翔平さんも吃驚です。マスク氏は世界一の大富豪ですから、それぐらい何ともないかもしれませんが、トランプ氏の提案に「喜んで仕える」と応じていますから、これでは、最初から恩賞狙いの献金であることがバレてしまいませんかねえ? これに応じて、トランプ氏も「EV購入者に対する税額控除廃止」も撤回することでしょう。

 最高権力者と政商との間のウインウイン関係という世界中で、歴史的にも何度も繰り返されてきた構図です。

 となると、マスク氏は民主党より共和党のトランプ氏の方が御しやすいと判断したのでしょう。だから、彼にとって、イデオロギーも民主党も共和党も何も関係ないのです。そもそも、「民主党=リベラル・温和的」、「共和党=保守・急進的」といった日本のメディアで作られているイメージが間違っているのです。米国の歴代大統領の中で最も尊敬されている大統領は、南北戦争を終結させるなどの功績があったリンカーンですが、彼は共和党です。日本の広島と長崎に原爆投下を命じたトルーマンは、民主党です。

 やはり、人類の歴史は、民主主義だろうが、共産主義だろうが、独裁主義だろうが、イデオロギーや哲学や経済理論によってではなく、凄まじい権力闘争と生存競争で勝ち残った政治屋と政商が作っていることを一刻も早く気付くべきです。

 ま、こんなことをXに投稿すれば、オーナーのマスクさんは怒りまくって、削除を命令することでしょうね。

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