私は「文化ジャーナリスト」を自称しているので、政治問題は不得手なのですが、最近の日中間の冷え込みに関しては、一言、言いたくなりますね。私は日和見主義者なので、政治的意見は、毎日コロコロ変わる特質があるので、「当てにならない」「信用出来ない」と断罪されても結構です(笑)。
高市首相の台湾有事発言
今更ですが、発端は、11月7日、高市首相による国会での台湾有事発言でした。「存立危機状態になりうる」と本音を開陳してしまい、中国習近平政権から猛烈な反発を受けました。
私自身は平和主義者で、そもそも10年前に制定された集団的自衛権なる法律は、米国の権益が目的なので反対の立場なので、高市首相の台湾有事発言そのものはおかしいと思いますが、撤回する必要はないと思っています。私のような小さな人間が集団的自衛権を反対しようが黙殺されるだけです。むしろ、「高市首相はよくぞ本音を言ってくれた」と拍手喝采する有権者の方が多いことでしょう。(高市政権の高支持率にそれは表れています)
目に余る過剰反応
まさに本音です。多くの日本人は中国の覇権主義は目に余ると認識しているからです。それは、中国政府当局による日本への渡航禁止や留学生の自粛、航空機の減便、日本の海産物輸入停止などに表れています。そのうちレアアースまで輸出を禁止するかもしれません。まさに異様な過剰反応です。
特に、中国の薛剣・駐大阪総領事による「勝手に突っ込んできたその汚い首は一瞬の躊躇もなく斬ってやるしかない」といったSNSへの投稿は、明らかに名誉毀損か脅迫罪です。また、北京で行われた日中外務省の局長同士による協議で中国の局長が、両手をズボンのポケットに突っ込んだまま、日本のアジア局長を見送りする場面を撮影させて、日本人の顰蹙を買いました。中国の為政者はヤクザか?と思わせました。
また、「日本の治安が悪化している」などと国家ぐるみで根拠のないデマを拡散しています。
侠客出身の劉邦
本来、中国は56の多民族国家ですが、現在の中国は、大半が漢民族によって占められ、政権の中枢を握っています。古代の漢帝国を樹立した初代皇帝劉邦は、侠客出身だと言われています。ですから、「そっかあ、彼らを聖人君子だと思い込んでいたことは間違いだった」と、今回の「事件」で多くの日本人は認識を新たにしたのでした。
侠客が多いからこそ、孔子は「論語」を説いたとも言えます。
ミクロネシア、ポリネシア等は台湾民族か?
台湾について、中国は「核心的利益」として昔から中国のものであると主張しておりますが、最近、面白い番組を見ました。Eテレ「3カ月でマスターする古代文明」の第9回「オセアニア 巨大化する石像の謎」の中で、ミクロネシアやポリネシア、メラネシアなど太平洋・オセアニアの諸島の民族はオーストロネシア語族と呼ばれ、紀元前1800年頃から順次、台湾から海を渡って来た人々だというのです。それは、言語や祖先崇拝、巨石信仰などに現在も各諸島に残っているというのです。「台湾民族」は、太平洋だけではなく、インドネシアのスラウェシ島などにも渡っていたことも分かっています。こんな広地域が台湾発祥(起点)だったとは!
となると、政治的覇権主義を乗り越えて、人類学的、巨視的視野に立って見ると、もともと台湾は、台湾のホモ・サピエンスだと言えるのではないでしょうか。あくまでも、文化ジャーナリストとしての見解ですが。

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