嗚呼、何てこったあ、MacBookとEPSONのプリンターが繋がらない!
最近、何をやってもうまくいかず、あまり良いことがないので、モヤモヤしていたところ、骨董好きのSさんが、東京・御成門の東京美術倶楽部で開催中の「東美アートフェア」に誘ってくれました。「招待券が2枚ありますから、如何ですか?」と仰ってくれたのですが、後からホームページのサイトを見てみたら、当日券が2000円もしました。誠に有り難いことです。

目の玉が飛び出る価格
1階から4階まで、120軒の骨董店だけでなく、現代アートの画商店が、狭い、いや、こぢんまりとしたブースの形で立ち並び、目の玉が飛び出るほど高価な美術品を即売しておりました。中には古代の勾玉まで即売しており、吃驚仰天です。
最初に見たのが、「南蛮屏風」で、江戸初期に狩野派の画家が描いたものでした。幕末に修復されただけだといいますが、色彩が鮮やかで、精細で驚いてしまいました(残念ながら、撮影は不可でした)。思い起こせば、南蛮屏風の本物をこれほど間近で見たのは生まれて初めてじゃなかったでしょうか。思わず価格を聞いてみたら、「2500万円です」とあっさり言われ、二重に驚いてしまいました。
人気の高い棟方志功の版画もありましたが、こちらは1200万円。いきなり、やられたあ〜という感じになりました。
柴田是真と山本丘人
Sさんにはお目当てがありまして、一人は、江戸後期から明治にかけて活躍した漆工芸家で絵師の柴田是真(1807〜91年)です。会場では2点ほど見つかりましたが、気楽に購入出来るような金額ではありません。せめて、眼福と言いますか、見るだけで楽しむといった感じでした。Sさんは「是真は、70歳過ぎても子どもを成したんですよ。凄い人ですよお」とそっと教えてくれました。是真の作品は、外国人好みといいますか、当時のジャポニスムの影響でかなりの数が海外に渡ったようです。
もう一人は、昭和に活躍し、文化勲章も受章した日本画家の山本丘人(1900〜86年)でした。戦時中の1944年に描かれた農家と田園風景などがありましたが、Sさんは大変なお気に入りのようだったので、画商さんは「どうですか。税込198万円ですが、勉強しますよ。1割なら交渉次第です。これから益々、値が上がると思いますよ。如何ですか?」と迫って来ました。Sさんの方は、慣れたもので、終始笑みを浮かべていました。

日本橋と京橋に集中する骨董店
Sさんは本当に美術愛好家といった感じでした。骨董にハマったきっかけは、現役時代、兜町の大手証券会社に勤めていて、骨董店が密集している日本橋や京橋が近いことから、昼休みなどに気晴らしに出掛けていくうちに、店の人とも顔馴染みになり、ちょくちょく行くようになったからだといいます。今回も画商の中に何人かの知り合いがいて、その度に「やあ〜」と、何人もの人に挨拶しておりました。
Sさんは「京橋の『繭山龍泉堂』と日本橋の『壺中居』は中国の陶磁器に関しては、双璧です。えっ? ご存知ないのですか? 日本橋の『瀬津雅陶堂』も老舗で、北大路魯山人の紹介で、益田鈍翁所蔵の骨董品を数多く扱っています。ネットには載っていないと思いますが、狭い世界での話ですから知る人ぞ知る話です。それに骨董業界では業界同士で婚姻関係を結んで情報を共有したりしてるんですよ」と、かなりマニアックなことを教えてもらいました。
「近代三茶人」の一人、鈍翁こと益田孝は幕臣ながら維新後、転じて、今の三井物産と日本経済新聞社の設立に関わった大実業家で、日本の古美術の有数の蒐集家としても知られています。金に糸目はつけませんから、国宝級の美術品まで収集していたといいます。

美味しいカレー店を発見
話は前後しますが、東美アートフェアを鑑賞する前に、Sさんとランチをしました。Sさんは最初、「うどんとか麺類は如何ですか?」と提案されましたが、最近は、毎日のように昼はインスタントラーメンばかり食べていたので、個人的には麺類は食傷気味です。そこで、店の外で何人か並んでいる飲食店があり、見たらカレー店だったので、並ぶことにしました。

「ザ・カリ」という名前のお店で、並んでいる間に、スマホで検索してみたら、グルメのサイトでかなり高得点を挙げているカレー屋さんでした。実際に食してみると、かなり本場の味で、スパイスが効いて、最近の外食のカレー屋さんでは一番美味しかったでした。
いやあ、この店にして正解でした。
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