国内外で暗いニュースが溢れている昨今、久し振りに明るいニュースが飛び込んで来ました。10月6日、今年のノーベル生理学・医学賞に大阪大学の坂口志文(しもん)特任教授(74)が3人のうちの1人に選出された大ニュースのことです。
受賞理由は「免疫が制御される仕組みの発見」ということで、坂口特任教授は、アレルギーや関節リウマチなど自身の身体を攻撃するのを防ぐ働きをする「制御性T細胞」を発見したといいます。私は素人なので良く分かりませんが、免疫の「ブレーキ役」を果たし、がん治療にも役立つといいます。
関節リウマチに苦しんできた友人
私はこの話を聞いて、長年、関節リウマチに苦しんできた小学校時代からの友人Gさんがおりますから、直ぐに思い出しました。彼女に連絡してみました。そしたら、吃驚です。「坂口教授が開発したアクテムラという点滴治療薬を10年以上受けていますが、お蔭さまで寛解状態が続いています」との答えが返って来たのです。そうだったのですかあ~。一気に坂口特任教授を随分、身近に感じでしまいました。
かなりの苦労人
でも、10月7日付朝日新聞朝刊によると、1980年代は免疫を抑える細胞は存在しないというのが定説だったため、坂口氏の研究は10年間も見向きもされなかったというのです。数年間、米国の研究所を4カ所も転々とし、坂口氏が安定した職を得たのは日本に帰国した44歳の時で、制御性T細胞の研究が世界に認められたのが50歳ごろだったといいます。
かなりの苦労人だったんですね。昨晩の記者会見の様子を見ましたが、エリート臭が全くなく、口調が大変穏やかで、自分の感情をコントロールできる、非の打ちどころがない大変な人格者に見えました。坂口氏の父親は高校教師だったといいますが、坂口氏の実兄は偉作(いさく)さん(76)、本人も志文(しもん)さんということで、クリスチャンの御一家かもしれません。
新発見したけりゃスマホを捨てよ?
坂口氏のエピソードの中に、「電話嫌いで、携帯もほとんど使わない」という話がありました。はい、ノーベル賞を目指す若者よ、新しいことを発見したいのなら、あまりスマホとかAIとかにどっぷりつかっちゃいけませんぜよ!
坂口氏の座右の銘のようなものは「一つ一つ」だそうです。粘り強く、一つずつ地道に努力せよ、という意味なのかもしれません。
追記 ノーベル化学賞に北川氏
10月8日、今度はノーベル化学賞に、京都大学の北川進特別教授(74)に決定しました。どうしちゃったの? 日本人、凄い!と俄か国粋主義者になってしまいました。
授賞理由は「金属有機構造体(MOF)の開発」ということで、これを使えば、大気汚染から有毒ガスを取り込んだり、砂漠の空気から飲料水を作ったり、発がん性のある有機フッ素化合物(PFAS)を水から除去したりする「優れもの」らしいです。直接、社会や人の生活に役立つことばかり、凄い人類への貢献だと思います。
生理学・医学賞の坂口氏も、化学賞の北川氏も京都大学出身です。東の横綱も頑張ってほしいですね(笑)。
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