私は医者でも脳科学者でもありませんが、人は歳を重ねると、思考回路が細くなることを発見しました(笑)。幼い頃は、思考回路が複線どころか、複々線ぐらいはありましたが、年を重ねるとそれらは複線となり、還暦でも過ぎると単線になるんじゃないでしょうか。単線ということは、いっぺんに、同時にマルチタスクが出来なくなったということです。
何で、こんなことを書いたのかといいますと、たとえ私自身の個人的な体験だとはいえ、人類に共通したものだと思ったからです。つまり、皆さんにも関係あるということです。
私が最初に「変化」を感じたのは、ラジオを聴きながら新聞を読んでいたら、ラジオの話が全く分からなくなってしまったことに気が付いたことです。今年に入ってからです。昔は、ラジオを聴きながら受験勉強をしても、両方とも頭に入ってきたのに、高齢になると、思考回路が単線になり、しかも段々細くなるので、「ながら」は出来なくなったということです。ラジオか、新聞か、のどちらか一つしか、インプットしてくれないのです。
本日も考えごとをしながら、駅の方向に歩いていたら、ふとした拍子で、曲がり角を間違えて、駅とは反対方向に歩いていることに気が付き、すぐ修正しました。昔はこんなことはあり得ませんでした。
冷蔵庫を開けたら、自分は何のために、何を取り出そうとしたのか、一瞬、忘れてしまっている事態も出て来ました。これでは、まるで綾小路きみまろの漫談です。以前は、ゲラゲラと笑っておりましたが、今では他人事ではなくなりました。
でも、私自身は別に悲観していません。「ついに来たか」とは思いますが、「ここまで長生きさせて頂き、有難い。神さま、仏さま、有難う御座います」と祈るようにしております。夏目漱石と堀辰雄と坂口安吾は49歳の若さで亡くなっていますからね。
今年は「昭和100年」「戦後80年」に当たり、個人的な感想みたいなものです。
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