渡邊敦光監修「味噌大全」(東京堂出版)なる本が家にあったので、パラパラ捲って読んでみたら、面白くてたまりませんでした。
東京堂は東京・神保町の古書店街にある老舗の「新刊」書店ですが、出版業も明治24年(1891年)から始めていますから、今年で創業135年にもなります。色んな本を出していますが、辞書のような百科事典のような本の出版に特色があります。「醤油大全」「酢大全」「日本古代人名辞典」「英語の感覚感情表現辞典」など盛りだくさんです。
この「味噌大全」も、その味噌の歴史から作り方、効能(がんや高血圧などに効く健康効果)、全国の味噌、世界の味噌、それに美味しいレシピに至るまで、まさに至れり尽くせりの万能辞書になっております。
全てを紹介できないので、この本に私が興味を持った「触り」だけをご紹介します。引用の引用ですから「孫引き」です。
明治9年に、「お雇い外国人教師」として東京医学校(東大医学部の前身)に招かれたドイツのエルヴィン・フォン・ベルツの話です。群馬県の草津温泉を世界に紹介した人としても知られています。

そのベルツ博士は、日本人は小柄なのに、その頑健な身体と持久力に驚愕します。とりわけ、人力車の車夫が、東京〜日光間を14時間30分で走り抜いた持久力です。馬でさえ14時間要したのであまり変わらなかったからです。
ベルツ博士は車夫に普段、何を食べているのか尋ねると、彼は「玄米のおにぎりと梅干し、味噌大根の千切りと沢庵」と答えたそうです。これは当時の日本人の庶民の平均的な食生活でした。そこで、ベルツ博士は、欧米並みの進んだ栄養学を適用すれば車夫はさらに力を発揮するだろうと思い、実験してみます。
車夫二人を雇って、毎日40キロの道のりを80キロの荷物を背負わせて走らせました。一人は今まで通りの食事、もう一人には肉中心の食事をさせます。すると驚くべきことに肉食中心の車夫は三日目で疲労で走れなくなり、「元の食事に戻してほしい」と懇願してきたそうです。そこで仕方なく、元の食事に戻すと走れるようになり、最初から今まで通りの食事をしてきた車夫は3週間も走り続けることが出来たというのです。
この実験で、単純な答えは出せませんが、持久力には、玄米と梅干しと味噌が重要なカギを握っているということは間違いないことでしょう。
戦国時代、お城や堀や道路などの大規模な土木工事は、殆ど人力でやっておりましたが、小さな日本人に何処にそんな体力が秘められているのか不思議でしたが、玄米と味噌と梅干しという粗食にあったのかもしれません。偉い歴史学者は誰も解明しておりませんが。
でも、今、現在も玄米食を続けているエコノミストのSさんが、この話を聞けば、大喜びでしょうね(笑)。また、味噌は大豆が原料ですから、肉を食べなくても、十分にタンパク質が摂れているということなのでしょう。
日本人の伝統食「味噌」の効能に本当に感心してしまいました。毎日のお味噌汁で医者いらず!ですよ。

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