北海道には結構、ご縁がありまして、まず、高校の修学旅行が「北海道周遊」でした。長万部、登別、阿寒湖、原生花園、旭川、札幌、函館などを巡りました。半世紀以上昔ですから、当時は、夜行列車で、まだ青函連絡船でした。
大学生の頃、航空管制官だった父親が釧路空港に単身赴任し、夏休みに1カ月ぐらい滞在し、礼文島にまで旅行しました。稚内からフェリーに乗って、船酔いしたことを覚えています。また、釧路駅の隣りに大楽毛(おたのしけ)という駅があり、20歳を過ぎてましたが、生まれて初めてストリップ劇場に入って、カルチャーショックを受けたことも覚えています。何でそんな所に行ったのか、どこからそんな情報を手に入れたのか、若者暴走族は何をしでかすか分かりませんね。
そして、もう20年も前になってしまいましたが、時事通信社の帯広支局長として約3年間、赴任しました。支局は、地元紙「十勝毎日新聞社」の4階にあり、支局長の私と嘱託女性の一人というたった二人の要員(pool)でした。時事通信社の地方支局長は、ニュースを売ったり、講演会組織(内外情勢調査会)を運営したり、内閣支持率の調査(中央調査社)などを請け負ったりする仕事があり、結構、毎日、忙しい日々を送りました。
中札内村には一生、足を向けて寝られません
ニュースの販売というのは、普通のゼネラルニューズは、勝毎(かちまい)と呼ばれる十勝毎日新聞社という支局にとっての「ドル箱」の地元最大の契約紙があるので、帯広は、他の全国の支社・支局と比較すると大変恵まれていました。この他、「農業王国」十勝は小豆の生産地として有名で、現地の卸売会社に小豆相場の情報に特化したJ-Comというニュースを販売したり、行政ニュースを売るために、帯広市役所をはじめ、十勝管区の1市16町2村の役所、役場を雪深い中、遭難しそうになりながら、バスで全て回りました。この中で、中札内(なかさつない)村が、iJAMPという行政ニュースを私が赴任中に契約してくださりました。私は「中札内村には一生、足を向けて寝られない」と心に誓いました。
最初、十勝管区の地名は読むのが大変難しかったのですが、一生懸命に覚えました。音更町、幕別町、更別村、豊頃町なんて、普通、読めないと思います(笑)。思い出深い町村は、「日本一寒い町」として全国的にも有名な陸別町に天文台があり、そこの所長さんの解説で満天の星を見た感動が忘れられません。ドリカムのヴォーカル吉田美和さんの出身地としても知られる池田町は、ワインの町としても有名で、何度かそこのワイン館に遊びに行きました。上士幌町のバルーン・フェスティバルも懐かしい。これだけでも写真入りのニュースになりますから、取材を兼ねて行ったものです。そうそう大樹町のロケット発射台にも取材に行きました。
廃線になった旧国鉄広尾線の「幸福駅」と「愛国駅」は私が高校生の頃、大ブームになったので行ってみましたし、旅行では、Sさんの運転で、当時、ユネスコ世界自然遺産に登録されたばかりの知床に行くことが出来たのが良かったでした。さらにまた、Sさんの運転で、修学旅行でも行けなかった小樽にも行けましたし、北海道を満喫しました。
北海道弁で唯一分からなかった言葉
振り返るとキリがないほど思い出が蘇って来ますが、何と言っても忘れられない言葉は「これ、投げてもいいですか?」です。これは、一緒に帯広支局で仕事をしていた嘱託女性のMさんが私に言った言葉ですが、そう言われても私は意味が分からず、一瞬、キョトンとしてしまいました。
支局には郵便物など書類が沢山送られて来ます。その中に、明らかに不要な宣伝パンフレットみたいなものがあり、Mさんはその処分に困っていたようだったのです。「投げる」とは文字通り、投げるという意味ではなく、北海道弁で、「捨てる」という意味でした。つまり、Mさんは「この宣伝パンフレットはいらないので、捨てても宜しいですか?」と私に許可を得ていたのです。北海道弁は、全国から移植して来た人が多いので標準語に近いと言えば近いので、沖縄語や津軽弁などのように分からない言葉はないのですが、この「投げる」だけは知りませんでした。
それで一層、この「投げてもいいですか?」が忘れられないのです。


コメント
去年の10月、釧路・根室を旅行したとき大楽毛を通りました。ふだんスーパーでよく見る「よつ葉牛乳」の工場をみつけて、ああ、ここか、とプチ感動。それにしても、大楽毛とストリップの組み合わせは絶妙ですね(笑)
「投げる=捨てる」は、関西弁では「放る=捨てる」、英語でも「throw away=捨てる」なので、ちょっと考えればわかりそうなものではありませんか?
大鹿様
意外なコメント有難う御座いました。大楽毛とストリップとの類似性にまで気が付きませんでした。うまいこと言いますね。座布団一枚!恐らく今はないでしょうが、駅から歩いて直ぐそこにありました(笑)。
Mさんから「投げてもいいですか?」と言われた時、てっきり、彼女は「仕事を辞めてもいいですか?」という意味で使ったと思いました(笑)。