生成AIの進歩には目を見張るものがあります。つい2年前、「渓流斎日乗とは何ですか?」と質問すると、「それは江戸時代の与謝蕪村が書いた日記です」なんて、とんでもない答えが返ってきましたが、今ではちゃんと正しく答えてくれます。烏滸がましいので、それは引用しませんが(笑)。
本日は、AI翻訳のことを取り上げます。めちゃくちゃ感激した翻訳があったからです。一つは、英訳です。長年、この渓流斎ブログをご愛読の皆様はもうお分かりでしょうが、ここ数週間、ブログの英訳を付けております。諸般の事情で、これからやめておきますが、その英訳で感動したことがありました。
英訳の場合
11月24日に書いた「スマホは思考の中枢を破壊する?」という記事の中で、「冷蔵庫を開けて、何を取ろうとしたのかも忘れる」と書いたつもりが、後で読み返したら、「冷蔵庫を開けて、何を取ろうとしたかのも忘れる」と誤記しておりました。それを知らずにそのまま、それをGoogleのGeminiというAIに英訳してもらったら、ちゃんとほぼ間違いなく、“opening the fridge and forgetting what you were going to take out,”と翻訳していたのです。
和訳の場合
今度は、ある英語のパンフレットの文章でどうしても意味が分からない箇所があり、AIに和訳してもらうことにしました。英文は、The appeal of jizake is in its individuality that originates from the climate and the local food culture that it compliments. という文章です。この最後の「that it compliments」の意味がどうしても掴めなかったのです。complimentとは、「褒める」という意味ですが、it は何を指すのか? the appeal だとすると、魅力が褒める地元の食文化とはどういうことなのか?頭がこんがらかって来ました。
そしたら、Gemini は少し考えた後、「compliment(褒める)は complement(補完する、引き立てる)の誤植の可能性が極めて高い。これはネイティブでもよく間違えます」と言うではありませんか。料理の場合、complementは、「よく合う、引き立てる」という意味で使われますから、「地酒の魅力は、気候や、それが引き立てる地元の食文化に由来する個性にあります。」と訳すのが英文の構造を忠実に反映した訳となります。と、AI先生は仰るのです。
そこで、私は「itのそれ、とは地酒を指すのですか?」と質問すると、「その通りです」と答えが返って来ました。それ以上に、続けて、色んなことを書いてくれましたが、ここでは省略します。
訳者泣かせ
とにかく、AI翻訳に関して、私が驚いちまったことを皆様に伝授したかったのでこんなことを披露したのでした。私は、他にフランス語訳も試しましたが、ドイツ語もスペイン語もイタリア語も中国語も韓国語もお手のものなのでしょう。
これじゃあ、役者じゃなくて、訳者泣かせですね。
10年前の話
と、書いたところ、ITと英語に精通しているAさんから「complimentと complementの間違いを直してくれることは、もう10年も前から翻訳機は行なっていて、何ら驚くべき話ではありませんよ。まして、度肝を抜かれたなんて…」と言われてしまいました。
うーん。返す言葉もありませんでした。



コメント
拝啓。ご健勝のことと存じます。
駅でも顔認証システムの導入でパスモも切符も不要になるとのこと。便利ですが、同時に駅員の削減になります。
AIの発展によって、人間の労働力がますますカットされていく状況ですね。そのうち無人駅・無人店舗・無人交通網なんて事態にならないでしょうか?
P.S ためしにコメントしてみました。