フリーの科学ジャーナリストである渡辺雄二著「新版『食べてはいけない』『食べてもいい』添加物」(大和書房、2023年6月5日初版)をパラパラめくっていたら、かなり驚きべきことが書かれていて困惑してしまいました。
綺麗なカラー写真で、普段スーパー等で売られ、自分自身もよく食べている食品が身体に悪影響を与える添加物が含まれ、「食べてはいけない」部類に入っていたのです。
著者の渡辺氏は、巻末の履歴によると、千葉大工学部合成化学科を卒業し、消費生活問題紙の記者を経てフリーになった人なので、書く内容は信頼出来ると思います。「はじめに」の中で、添加物について「動物実験が行われ、その結果から、人間にも『害はないだろう?』という推定のもとに使われているすぎないのです」とまで書いています。
例えば、私もよく食するカップ麺(写真は日清食品のカップヌードル)には、「調味料がグルタミン酸ナトリウム(「味の素」の主成分)がメインで、これを大量に摂ると、人によって顔から腕にかけて熱くなったり、しびれを感じる」と書かれています。またカップ麺で使われるカラメル色素の中には発がん性物質も含まれているものもあるといいます。
この他、コンビニ弁当やシャウエッセンのソーセージ、ロッテのキシリトールのガムまで身体によくない添加物が含まれているということで「×」(食べてはいけない)になっています。
「食べてもいい」食品も
こんなんでは、食べるものがなくなってしまう、と心配していたら、「『食べてはいけない』と『食べてもいい』の中間の添加物の食品」と「『食べてもいい』添加物および無添加の食品」まで紹介されているので、少し安心しました。「食べてもいい」食品の中には、敷島製パンの「超熱」や伊藤食品の「鯖味噌煮」の缶詰やブルドック中濃ソースなどが、具体的な商品名としても挙げられています。
それにしても、この本が出版されて2年も経過しています。具体的に名前を挙げられて食品会社が「事実無根」と抗議したり、訴えたりした話を寡聞にして聞きません。それ以上に、日本には内閣府の食品安全委員会があります。当然、認可されなければ商品として市場で販売されないわけですから、流通している食品は、内閣府のお墨付きということになります。国の基準では「食べても問題ない」とされています。
以前、会社の後輩の中には、毎日、昼はカップ麺かコンビニ弁当で済ましてしまう人がかなりおりました。彼らはこの本を読んだことがないことでしょうが、私自身は深く考えさせられました。
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