昨日は、3ヵ月ぶりぐらいに三軒茶屋の山本氏邸の懇親会にお呼ばれされて参加して来ました。遠く多摩市にお住まいのSさんが初めて参加されました。途中、Sさんと一緒に、駅近くの西友ストアーに寄って、持ち込むワインと焼酎のボトルを探していたら、幹事役のNさんがひょっこり現れました。彼は何も買わなかったので、「冷やかし」だったのかもしれません(笑)。
ChatGPTか?
9人も集まりました。雑談会で一番面白かったのは、やはり、AI(人工知能)の話でした。まず、大学教授のO氏が最近の学生の答案を見ていると、どうも、AIを使って解いているのではないかと思われる、と言うのです。特に記述式の問題で、似通った回答に気が付くというのです。穴埋め式問題だとそういうことはないそうです。よく分かりませんが、今の大学の試験では会場にスマホを持ち込むことは禁止していないようです。となると、似た記述回答が複数あるということは、推測ではなく、ChatGPTを参照したことは間違いありませんね。
AI革命は止まらない
もう一人、出版社で雑誌の編集記者をしているO君も、目下、AIの取材に掛かりきっているというのです。先日は、私はこの渓流斎ブログで、「AIの憂鬱」なる記事を書きましたが、もう泣いても喚いても、時代の流れは止めらないようです。AIはもはや産業革命みたいなもので、世界の人類が皆、「前に倣え」で、AIの進歩は加速しており、誰も止められません。AIは産業となり、人に代わって仕事をし、この先、どんな世の中になるのか想像もつかないほどです。
特に、GAFAと呼ばれる米国のIT巨大企業が中心になって推し進めていますが、O君によると、出来れば日本も、国益のために、自前の、国産のAIをつくられなければ駄目だというのです。よく分かりませんが、自前と他国のつくった「借り物」とでは、その性能というか性質というか、使い勝手が全然違うというのです。恐らく費用対効果の面でも自前でつくった方が安上がりで済むのかもしれません。
それに中国製の生成AI「ディープシーク」は危ない、と指摘する識者もいて、利用に関してはどうしても二の足を踏んでしまいます。
投資額50兆円?
それにしても、本格的なAIをつくるには莫大な費用が掛かります。10億円、20億円という話ではなく、投資額が50兆円(4社で)なんて話も聞きます。何でそんなにお金が掛かるのか、O君に聞いてみると、莫大な量のデータを処理するのに、膨大な電気量が必要とされるそうです。また、処理するCPUやOSに使われる半導体は、今までと比べものにならないくらい超高性能の製品でなければならず、当然、価格も目の玉が飛び出るほど高価なようです。
今や、AIは、亡くなった人と瓜二つの3D動画と声を再現したり、チェスや囲碁、将棋などのゲームで人類をこてんぱんにやっつけたり、人気作家の文体や構想を真似たり、有名画家の手法に沿ったりして、偽の「芸術作品」を発表したりしています。
以前は厖大なデータのことを「ビッグデータ」と言ってましたが、最近では使われなくなりましたね。今や、以前より遥かに膨大なデータがネット上に急増して、もはや「ビッグ」なんてものではなくなったからでしょう。生成AIはそれらの膨大なデータを全て飲み込みます。特に、飲み込んだデータの中には、百科事典や新聞雑誌の記事までありますが、もう著作権なんかお構いなしです。
「嫌ならネットに上げるな」
恐らく、人が苦労して書いたこの《渓流斎日乗》の記事もAIに飲み込まれているはずです(爆笑)。私が「欧米の新聞社なんかは著作権の侵害を訴えているけど、著作権の使用料を払わなくていいんですかねえ?」とそれとなく皆さんに聞いてみました。
そしたら、幹事役のNさんは、待ってましたとばかり、「ネットに著作権なんかないよ。嫌だったらネットに上げなければいいじゃねえか」と実に明解な答えを勝ち誇ったように述べるのです。
そうですね。そういう考え方も出来ますね。AIが嫌なら、そして自分の記事の著作権が気になるのなら、ネット上にアップしなければいいのです。まさに、パソコンがなかった昭和時代に逆戻りになりますが、私は、そんな不便な?昭和時代を生き抜いてきたわけですから、別に出来ない話ではありません。
とはいえ、この期に及んで、私はスマホを捨てることが出来るでしょうか? 捨てることは出来ず、せいぜい、控えることぐらいでしょうね。でも、そう言えば、Sさんは「スマホも携帯も持っていません」と、実に堂々と胸を張っておりました。なければないで、それでどうにかなってしまうのです。今年は昭和100年。昭和時代人は健在です!
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