フジテレビ2度目の記者会見を見て思ったこと

フジテレビ本社 Wikimedia Commons 雑感
フジテレビ本社 Wikimedia Commons

 元タレント中居正広氏(52)と女性とのトラブルを巡る問題で、フジテレビが開いた「2度目の記者会見」は1月27日午後4時に始まり、日付をまたいで28日午前2時24分まで行われたことは、異様といいますか、異常に感じました。所要10時間24分。そこまでやる必要があったのかと思ってしまいました。会見の最後まで出席したのは3割程度だったらしいですが、私が知る限り最長の記者会見です。

品性に欠ける「記者」も

 私も途中まで同時中継を見ていましたが、6時間経って、やっと途中休憩です。私はトイレが近いのでお漏らししていたことでしょう(苦笑)。私はかつて、テレビ担当記者として会見場で取材する側にいた人間なので、記者たちの飲食やトイレはどうしたのか?とか、超過勤務問題まで頭を過ぎってしましたが、そんな甘ちょろいことを言っていると、怒号とヤジでつぶされそうです。

 というのも、記者のレベルがレベルなのか、まるで糾弾集会のような怒号とヤジが飛び交い、著しく品性に欠ける場面があったからです。会見にはユーチューバーさんまで参加し、191媒体、473人が出席し、質問は116回に及んだそうですが、まるで裁判官です。質問ではなく、持論を展開する「記者」もいました。皆さん、私とは違って御立派な人たちばかりなのでしょうが、恐喝のような怒号やヤジを浴びさせる人たちに対しては、イエスのように「あなたたちの中で罪を犯したことのない者が、まず、この女に石を投げなさい」 (ヨハネによる福音書 8)と言いたくなりました。

広告主向けの弁明会見か?

 勿論、「記者」たちが怒るのも尤もな面もありました。フジテレビ側は最後まで人権保護を楯に真相を明らかにしなかったからです。それどころか、大物タレントら当事者に殆ど事情聴取せず、第三者委員会に丸投げにし、フジテレビ社員の関与を否定する辺りは、どうも、視聴者向けの記者会見ではなく、目下、広告を停止しているスポンサーに対する言い訳や再開を期待しての弁明に過ぎないように見えました。

 今や米国の「物言う株主」Dalton Investments までもが指摘する40年以上もフジテレビを支配している日枝久取締役相談役は最後まで姿を現さず、嘉納修治会長と港浩一社長の辞任は「トカゲの尻尾切り」であることはミエミエです。

 「面白くなければテレビではない」路線で、1980〜90年代は視聴率でトップを走っていたフジテレビも、昨年は民放キー局の中では最下位だったとか。貧すれば鈍するです。このままでは終わらないことでしょう。

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