個人店経営も受難の時代

行きつけのマッサージ店 雑感
行きつけのマッサージ店

 首肩腰などの懲りが酷い時の駆け込み寺ならぬ、駆け込みマッサージ店を今年初め、自宅近くに見つけて、通っております。当初は1カ月に1度ぐらい行きたいなあ、と思っておりましたが、今年9月末で無職になったお蔭で、そうしょっちゅう通えなくなりました(苦笑)。

評判のマッサージ店

 昨日は、実に5カ月ぶりぐらいに行くことが出来ました。もうあちこちが痛くて限界でした。60分4000円です。現在の相場からして安い方ではないでしょうか。頭から脚まで全身に渡って、丁寧に按摩をしてくれるので、やはり安いと思います。

 施術師さんは40歳前後のイケメンです。肉体労働なので大変だと思います。昨年まで隣りの駅の近くで営業していたらしいのですが、昨年、どういうわけか引っ越して来たそうです。土地勘もない知らない所で再開するのは大変ではないかと聞いてみたところ、「前のお客さんが付いてきてくださるので大丈夫なんですよ」と言うではありませんか。「ほ~、評判の施術師さんか」と安心して通うことにしたのでした。

 マッサージを受けている間、暇ですから、つい質問してしまいます。職業病かもしれませんが、結局、深く取材してしまったりします(笑)。

LINE予約の利点

 まず、この店には2回目から私もLINEを通して予約しているのですが、このLINEの予約システムが実に使いやすく、結構、予約でいっぱいだということが分かったり、簡単に予約をキャンセルしたり出来るのです。マスターに「自分で(システムを)作ったんですか」と聞いてみると、「いやいや、まさか。専門の業者さんがいるのでそちらに頼んでいます」と言うのです。彼によると、今や電話による予約はほとんどなく、LINEによる予約が実に9割5分なんだそうです。となると、予約のデータが消えたり、飛んだりしまっては死活問題です。素人の自分が作るより、専門のシステム業者に頼んで、メンテナンスもしっかりやってもらった方が安上りなのだそうです。

 マスターは店を1人で切り盛りしているのですが、LINE予約のお蔭で、電話の受付係を雇う必要がなく、電話もほとんど掛かって来なくなったので、施術の途中でお客さんから離れることもなくなり助かっているといいます。一石二鳥ですね。このLINEのシステムはオプションを付けて1カ月5000円掛かるそうですが、確かに人を雇うより安上がりです。マスターにとって、LINEさま、さまといったところでしょう。

有線はカラオケ会社ではない?

 もう一つ、施術中に店内に、鳥の声やクラシックなどいわゆるヒーリング・ミュージックが流れているので、「この音楽は、有線ですか?」と聞いてみました。有線とは、私の拙い古い知識では、大阪有線という会社で、全国のバーやスナック、商店街などにカラオケやBGMを流す会社です。そしたら、驚き桃の木山椒の木ですよ。現在の有線は、USENと社名を変えて、店内の有線放送による音楽配信は勿論のこと、映像配信(U-NEXT)も手掛け、保険事業にまで乗り出しているというのです。一番驚いたのは、クレジットカード決済のシステムまで手掛け、マスターによると、店内の諸々は全てUSENが仕切っている、とまでいうのです。

 有線がカラオケの会社というイメージは過去のもので、デジタルIT会社へと大変身していたわけです。ただし、マスターがそっと教えてくれましたが、有線音楽の配線にしろ、カード決済の端末やシステムづくりにしろ、初期投資は無料ですが、毎月の売上高の3%がUSENに徴収されるといいます。いやはや、これは大きいですね。凄いビジネスモデルです。個人経営の飲食店も時代の流れで、こういったカード・システムなどを導入せざるを得ませんが、その半面、利益率が上がらず、結構お客さんが入っても倒産してしまう店も多いそうです。

 家賃が値上がり、食材が高騰している昨今、個人店の経営は本当に大変です。マスターから裏話が聴けて、その背景と理由が少し分かりました。

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