もう10年前の昔のことなので、細かいことは忘れましたが、銀行に行って大変不愉快な思いをしたことをいまだに根に持っております(苦笑)。
ドル預金口座開設失敗
それは、東京の三菱東京ＵFJ銀行の銀座支店です。当時の私は、今より10歳も若く（当たり前じゃん！）、大病する前だったので元気溌剌で、欲深い人間でした。銀行には、ドル預金の口座を新しく開こうと思ったのです。何となく、将来は円安ドル高になるのでは、という予感がしたからです。当時、1ドルは100円とか105円ぐらいの相場でした。
銀行には会社の昼休みに行ったので、あまり時間がありません。2階の窓口で、散々待たされた後、担当したのが、40代ぐらいの女性行員でした。米国の大学でMBAを取得したような、「私はエリートよ」臭を周囲にプンプン匂わせるタイプでした。
私は思い切って、まさに清水の舞台から飛び降りる覚悟で、100万円のドル預金口座の開設の仕方を質問しました。これまで給料振込は他の銀行で、三菱東京UFJ銀行とは取引がありませんでした。そしたら、何やかんやのと、細かいやり取りは、故意に忘却させましたが、とにかく、向こうは、専門用語を使って、そんな安いはした金では口座は開けないという暗示というか、口調だったのです。「お前、三菱東京UFJ銀行を何だと思っているのだ！頭が高い！」といった雰囲気を醸し出すのです。
まさに傲岸不遜です。
私は、途中で話を打ち切って、口座開設は諦めることにしました。昼休みの時間もなくなってきたからです。
あれ以来、三菱UFJ銀行に対して良い感情を抱くはずがありません。あの時、ドル預金口座を開設していたら、今頃の円安ドル高で、かなり大儲けしていたはずですから尚更です。とはいえ、自分自身は投資も競馬競輪やパチスロといった博打も得意ではなく、大損ばかりして、博才はないと自覚しているので、全く後悔はしていませんが。
それでも、三菱UFJ銀行に関しては、個人的にずっとネガティブな感情を抱いておりました。そしたら、今回の貸金庫窃盗事件です。40代の女性幹部行員が、2020年4月から今年10月にかけて、約60人の顧客の貸金庫から十数億円窃盗し、それら殆どを投資などで溶かしてしまった、つまり、すってしまった事件です。警察もマスコミもこの女性行員の顔写真も年齢経歴も公開しないので、不思議なのですが、私は、10年前にドル預金口座開設を拒否した銀座支店の女性行員の顔を思い出してしまいました。
阿漕な商売
三菱UFJ銀行関連の不祥事はこれだけではないんですね。今週発売の「週刊文春」によると、大阪府の副支店長が創薬ベンチャー企業の株価を巡って、山口組の司忍組長の名前を騙り、顧客脅迫（強要未遂罪）で逮捕されたり、関連会社の三菱UFJモルガン・スタンレー証券が、クレディスイスの劣後債「AT1債」を高齢の富裕層に売りつけ、クレディスイスが経営破綻になる寸前にAT1債はゼロとなり、100人超から約83億円の損害賠償訴訟されたりしていたんですね。文春以外のマスコミは報道しないので、全く知りませんでした。
役員報酬3憶3000万円
貸金庫窃盗事件については、問題が発覚して公表された11月22日から3週間以上経って、やっと半澤淳一頭取が記者会見して謝罪しましたが、銀行業は信用第一なので、随分遅すぎます。
何よりも驚いたことに、三菱UFJフィナンシャル・グループ（MUFG）社長の亀澤宏規さん（63）の役員報酬は3憶3900万円、半澤淳一頭取（59）の役員報酬は3憶3000万円なんだそうですね。私の生涯年収より多いじゃないかなあ。日銀の植田和男総裁でさえ、年収は3554万円ですから桁が違い過ぎます。同じメガバンクでも、MUFGの役員報酬は他社の2倍なんだそうです。そりゃ、都心の100平米を超える高級マンションをキャッシュで買って、傲岸不遜になりますわ。
銀行業界の隠語として、1000万円程度しか預金できない庶民のことを陰で「ドブ」と言って相手にしないそうですね。銀座なら土地持ちや高級バー経営者ら億万長者がわんさかいますから、上流顧客が多いのでしょう。そりゃあ、100万円程度のドル預金を相手にするわけがない。
10年前の女性行員は、ごく当たり前のことを自然に遂行していただけだったのです。「ドブよ、とっとと帰（けー）れ」と心の中で叫んでいたことでしょう。あの女性行員が今回の貸金庫窃盗事件の当人だったら、大笑いです。そんなわけないか。
詐欺メールに打ち勝つ
たった一つ、三菱UFJ銀行に口座を持たなかった利点があります。それは、後日、「今直ぐにログインしないと、あなたの口座は閉鎖されます」といった詐欺メールが何度か来たことです。私は、三菱UFJ銀行に口座がないので、騙されるわけがありません。とてもよく似たロゴとホームページでしたが、直ぐに詐欺だと見破ることが出来ました。
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