分かった!面白そうな映画がなくなった理由

米ハリウッド Wikimedia Commons 雑感
米ハリウッド Wikimedia Commons

 最近、映画を観ていません。正確に言えば、ここ半年ほど映画館に足を運んでいません。「一食抜いても、是非観たい」という映画が見当たらないからです。

 私の場合、新作映画情報のほとんどは新聞から収集しますが、映画評を読んでも、どうしても観たい映画がないのです。「食指が動かない」という言い方が出来るかもしれません。

個人的に米アカデミー賞は信用できない

 私は映画評論家でも大手メディアの映画記者でもないので、映画は自腹で観ます。ですから、選別はシビアです。いくら評判が良いと聞いても、大きな賞を獲ったといっても、納得しなければ観に行きません。2023年に米アカデミー賞作品賞という世界的権威のある賞を獲得した「エヴリィシング・エヴリィウエア・オール・アト・ワンス」を観に行った時、あまりにも下らないので、生まれて初めて途中で席を立って退出したことがあります。もう米アカデミー賞の評価は全く信用していません。

 それにしても、何で、最近、面白そうな映画がなくなったのか、というわだかまる疑問があったのですが、本日、ついに解明しました。たまたま、ラジオを聴いていたら、映画界の裏話を聴いてしまったのです。そのラジオ番組は、偶然、途中で聴いたのですが、どうやら米国在住の映画評論家か記者さんで、マツヤマさんという方でした。と思って、ググってみたら、どうやら「週刊文春」にもコラムを持っているあの有名な町山智浩さんのようでした。町山さんの発言なら確かでしょう。

 クリント・イーストウッド監督最新作「陪審員2番」の話でした。監督、御年94歳です。いまだに現役で頑張っていたんですね。町山氏によると、いまだに若い恋人がいるそうです。羨ましい限り(笑)。町山氏はこの「陪審員2番」のあらすじを殆ど喋ってしまうのです。というのも、劇場公開がないからでした。サスペンスで、「これは是非とも観たい!」と思わせる内容でした。日本ではU-NEXTで明日から配信とか言っておりました。実は、米国でも劇場公開はなく、ネット配信のみだったというのです。何故か?

 どうやらイーストウッド監督はこの10年で40本ほどの作品を撮っているらしいのですが、前作が不入り、つまり、こけてしまった関係で、映画会社(ワーナー)も慎重になってしまったというのです。劇場公開にはかなりハードルがあり、高額の宣伝費を掛ける前提契約があるそうです。それが製作費高騰を招くのです。

 私も、おつな会で知り合った映倫に勤めていたAさんから聞いた話ですが、広報宣伝費は製作費の半分も掛けるといいます。また、かなりの昔ですが、映画関係者に聞いた話ですが、映画のヒット作品は1年間に製作された作品の2割程度だというのです。8割は不入りでお蔵入り作品ですから、ヒットするかしないかは、失礼ながらまるで丁半博打みたいなものです。

 となると、映画会社は慈善活動ではなく、利潤を追求している企業ですから、儲からない映画は作らず、公開しなくなるのです。今、確実に儲かる映画はアニメです。世界的にヒットします。それと、ディズニー映画などのファミリー向けです。幼い子ども一人で来られないわけで、親や祖父母も付き添うので興行的に美味しいのでしょう。それゆえ、クリント・イーストウッド監督最新作の「陪審員2番」は、大人向けの中規模映画なので、いくら中身が良くても、面白くても、映画会社は劇場公開に二の足を踏んでしまうというのです。

大人の鑑賞に堪える映画が公開されにくくなった

 ハリウッド映画に詳しい町山氏によると、今のハリウッドではアニメは当たっても、実写版映画に勢いがないというのです。マーヴェリック映画も、DC映画も当たらず、トム・クルーズ主演の「ミッション・インポッシブル」最新作もこけてしまったようです。

 これは世界的な傾向なんだそうです。つまり、面白い大人向けの、大人の鑑賞に堪える実写版映画が劇場公開されにくくなったということです。

 なるほどね、そういうことでしたか。昔は映画が娯楽のナンバーワンの地位を獲得していた時代がありましたが、今は、ゲームにしろ、スポーツ観戦にしろ、音楽ライブにしろ、他にたくさんの娯楽が溢れていますからね。

 とはいえ、最近、面白そうな映画がなくなった理由がこれで分かりました。

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