12月9日(月)に東京で開催された甲南大学講座「人生100年時代のための脳科学」第5回「健康寿命を延ばすために」(前田多章准教授)を受講して来ました。
この日は最終回でしたが、全5回、本当にあっという間に終わってしまった感じです。何と言っても時間が経つのが早過ぎる! 私の腕時計の秒針は、1秒ごとにカチカチと止まるのではなく、秒針は流れるように、止まることなく、動いてます。グルグルと旋回しています。正直、見ているだけで目が回って、気絶してしまいそうです。
時間とは、チクタクと止まりながら動いているのではなく、滝のように勢い良く流れているのです。凄い速さです。ボヤボヤしてられません。
コルチゾールが出るぞ!
そのためにも、朝目覚めたら、パッと起きて、しっかりと朝食を摂り、外光を浴びて、活動しなければいけません。夜食は腹八文目程度が理想で、夜は11時前には寝て7時間半睡眠が無難です。寝る前はもう一切口にせず、朝まで「絶食」すること。それが健康に一番良いーというのが前田先生の全5回の講座を受講して学んだ最大の収穫でした。
何故、朝、寝床でぐずぐずしないでパッと起きなければいけないのかと言いますと、コルチゾールが出てくるからでしたよね。コルチゾールとは、ストレスホルモンです。自然淘汰のジャングルで生き抜くために、ヒトは、急に襲って来る捕食者に立ち向かうために、瞬時に「闘争か、逃走か」を判断しなければなりませんでした。そのためにコルチゾールが分泌されます。コルチゾールは、血圧を上げたり、筋肉を動かしたりする作用があります。しかし、現代人はそう滅多に捕食者に襲われることはありません。ですから、そのまま寝ていると、コルチゾールが過剰に分泌され、精神疾患や糖尿病などの成人病に罹りやすくなり、免疫も働かず、ウイルス性疾患にも罹患しやすくなるというのです。
大切なホルモン、メラトニン
そうならないために、朝はさっと起きて、しっかり朝食を摂ります。特に卵や納豆などのタンパク質やバナナにはトリプトファン(必須アミノ酸)が含まれ、これが太陽の光を浴びたり、軽い運動をしたりすることによって、健康ホルモンと呼ばれるセロトニン(神経伝達物質)が出て、幸せな気分になれます。また、夕方に夕陽を浴び、軽く運動したりすると睡眠ホルモンと呼ばれるメラトニンが習慣的就寝時間の1~2時間前に出て、良質な眠りに導いてくれます。夜中の2~3時には、ストレスホルモンを抑制する成長ホルモンが促進されます。
メラトニンは大切なホルモンです。7歳までシャワーのように出て来ますが、20歳頃を境に高齢になるにつれ分泌が少なくなってきます。ただ、60歳以上の人でも、なるべく戸外で歩けば、50歳レベルにまでは上がるという実験結果があるそうです。
朝食の効果については、朝しっかり食べてきた生徒の方が、朝抜きの生徒より学業成績が良いという実験結果があります。
キレる老人にはGABAが良い
また、老人が自己抑制できずによくキレるという話が聞かれますが、それは、脳の前頭葉が衰え、睡眠リズムも通常通りにいかなくなったためでした。それには、アミノ酸の一種であるGABA(γーアミノ酪酸)を摂ると少しは改善するそうです。GABAは、ストレス緩和や睡眠の質の向上に効果があり、トマト、パプリカ、バナナ、メロン、乳酸菌発酵品に多く含まれています。
「睡眠」「食事」「運動」
いずれにせよ、健康寿命を延ばすのに、重要なことは「睡眠」「食事」「運動」の三つでした。詳しくは、過去4回の講座のリンクを貼っておきます。
最後に、私の場合、特殊で、現代人のほとんどが5~6時間と短睡眠の人が多いというのに、私は9時間寝ても、寝不足を感じるロングスリーパーなのです。週末は昼寝を3時間したりするので、1日の半分は寝ていることになります(笑)。今回の講座で「6時間半未満、8時間以上の睡眠で健康障害が高い」という先生の説明が気になって、終わった後、そっと先生に質問に行くと、「習慣的に9時間睡眠でしたら、別にそれでも構いませんよ。朝は決まった時間にきちっと起きてさえいれば大丈夫です。弊害は寝坊すれば、悪玉のコルチゾールが出てきてしまうからです。睡眠ホルモンのメラトニンは加齢で残念ながら減ってしまいますが、コルチゾールは減らないんですよね」と答えてくれました。
これ以外に手元に配られた資料には色んな事が書かれていました。また何かの機会に読み返してみるつもりです。
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