「渓流斎さんは、最近吞んだくれてますね」と言われそうですが、はい、昨晩も、そうでした。ただし、もう懲りたので、前後不覚になるまでは吞みません。それに、お店側も占めた者で、ちゃっかり時間制限まで設けております。昨晩は、東京・赤羽の有名店「まるます家」に行きましたが、素浪人の特権で午後4時半に行ったというのに、20分も並ばされて、90分間の時間制限まで宣告されてしまいました。
御年83歳、異様に元気です
昨晩のお相手は、ノンフィクション作家の斎藤充功(さいとう・みちのり)氏です。御年83歳だというのに、異様に元気で、年末から来年にかけて2冊の新刊を上梓される予定だというのですから、驚きです。斎藤充功氏については、このブログで何度も取り上げさせて頂いております。近現代史関係のノンフィクションが中心でこれまで出された書籍は50冊以上です。2016年に出版された「日本のスパイ王: 陸軍中野学校の創設者・秋草俊少将の真実」(学研プラス)があまりにも面白くて、このブログで書評として取り上げたところ、御本人からコメントを頂き、それ以来の御縁が続いて、年に何回かの「飲み仲間」になりました。この「スパイ王」の本を私に勧めてくださったのは京洛先生でした。御縁を繋いでくださった彼には本当に感謝しています。京洛先生の勧める本(「特務機関長許斐氏利」)の著者にインタビューして昵懇になったノンフィクション作家に、他に牧久さんもおります。
幕臣旗本出身
斎藤充功氏の人となりについては、以前のブログにも書きました。斎藤氏は昭和16年生まれですが、大正生まれの御尊父は、陸軍大学卒のエリート軍人。明治生まれの祖父は、海軍兵学校卒の海軍大佐、江戸幕末生まれの曽祖父は、六百石扶持の馬廻役の直参旗本だったいう血筋の良さです。御本人は東北大学工学部を中退し、フリーランスとなり、「文藝春秋」や「新潮45」(休刊)などの名物ライターとして名を馳せました。近著に「中野学校全史」(論創社)や「ルポ老人受刑者」(中央公論新社)、「日本の脱獄王」(論創社)などがあります。
こんな凄い人なのに、どうも私に目を掛けてくださり、「出版社の編集者を紹介しますから頑張りなさい」とハッパを掛けてくださります。本当に有難いことです。
今回は、斎藤氏が今度出される新刊の概要を教えてもらいました。1冊は、幕末維新の異人を何人か取り上げたオムニバスで、佐久間象山や間宮林蔵、「人切り以蔵」の岡田以蔵らを取り上げたもの。もう1冊は、ハルビン総領事を務め、ソ連侵攻によるシベリア抑留で獄死した外交官の宮川船夫という人の評伝です。宮川船夫は、東京外国語学校(現東京外国語大学)でロシア語を学んだソ連のエキスパートで、対ソ諜報活動にも従事したといわれます。知る人ぞ知る伝説の人物ですが、発刊が楽しみです。
【ご参照】
斎藤充功氏に関するこれまでのブログ記事は以下の通りです。(全部ではありません)
・「『日本のスパイ王 陸軍中野学校の創設者・秋草俊少将の真実』」
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