9月9日(月)、久方ぶりに東京・上野の「鈴本演芸場」に行って参りました。先日、人気ナンバーワンの落語家・春風亭一之輔の独演会を聴きに行こうと予約しようしたら数秒で売り切れた話をこのブログに書きましたが、その意趣返しです。いや、大袈裟ですね(苦笑)。ま、敗者復活戦みたいな感じで、この日は春風亭一之輔が一席だけ登場するので、是非、生で見たいと思ったのでした(笑)。
とは言え、年を取ると段々、出掛けるのが億劫になります。この夏の猛暑のせいで疲れが出たのか、気力がなく、眠くてしょうがありません。それでも、月曜日なのに「出社に及ばず」という日だったので、「土日より空いているはず」と頑張って出掛けることにしたのです。いやはや、正解でした。本当に、行って良かったです。日常生活から離れて、タイムスリップして、江戸時代の雰囲気に浸ることが出来ました。
鈴本昼の部は、12時開場、12時半開演でしたが、過日、池袋演芸場に行った経験から、席確保のために早めに到着することにしました。切符販売窓口には開場15分前に到着しましたが、既に10人ほど列に並んでおりました。よしよし。早めに来て良かった。自由席(一般3000円)なので、席を探すとまだ結構空いていました。よし! 私は演劇記者歴がありますから、最高の席は「とちり」と知っております。空いていた「り」の通路席を確保しました。
えっ? とちりを知らない?
席は前から「い」「ろ」「は」「に」という順番になっていますから、「と」「ち」「り」とは、前から7番目、8番目、9番目という意味です。そこから舞台を見るのがちょうど良く、首もつかれないのです。だから、とちりの席は、記者席やVIP席になっているのです。これは業界の秘密ですから、誰にも話してはいけませんよ(笑)。
話は横道に逸れてしまいましたが、やはり、春風亭一之輔(46)は良かったですね。今は最も旬で、人気、実力ともナンバーワンという評判は頷けます。何がうまいのかといいますと、「間合い」じゃないかと思います。若い落語家はどうしても早口で、何でも詰め込もうとしますが、ベテランになると、最も笑いが取れる急所となることは、間合いと仕草だということが分かっています。間合いこそが一流と超一流の分かれ目だと私なんか思っております。
その点、間合いの巧さで言えば、この日出演していた柳家三三(50)は、一之輔の上を行くと思います。名人芸だなあと思いました。さすが人間国宝・柳家小三治の弟子です。この日、池袋演芸場の時と同じように出演者を勝手に採点しましたが、「A+」はこの春風亭一之輔と柳家三三の2人だけでした。
「A+」とは、「何度も生で聴きたい。出来れば、独演会も聴きたい落語家」という意味になります。独断と偏見に満ちた個人的な採点法ですが(笑)。
鈴本演芸場は、落語以外で漫才や、奇術、民謡、太神楽曲芸までもやってくれます。皆凄かったのですが、特に奇術のアサダ二世は、もう80歳近いお爺さんですが、飄々としていて奇術で笑いを取るんですから大したもんでした。初めて拝見しましたが、一気にファンになってしまいました。
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