セブンイレブンが買収する、のではなく、買収される(目下、提案段階)という記事を読んで驚いてしまいました。
セブンイレブンは、アジア、北米など海外20カ国・地域を含めて店舗数8万、時価総額5兆6000億円という日本一のコンビニです。そんな会社を買収するなんて、どこのドイツかと思いましたら、アリマンタシオン・クシュタールという聞いたこともないカナダの会社でした。社名はフランス語です。フランス語圏のケベック州のラヴァルに本社がある同じコンビニの会社でした。
アリマンタシオンAlimentation は仏語で、「栄養」とか「食料」とかいった意味で、Couche-Tardは、「夜遅くまで起きている」といった意味です。この「Couche-Tard」という名前のコンビニなどを世界30カ国・地域で約1万6700店舗展開しています。日本では、2018年に「ファミリーマート」によって吸収合併されましたが、「サークルK」を営業していた親会社がこのアリマンタシオン・クシュタールでした。何と言っても、時価総額が、セブンイレブンのそれを3兆円以上も上回る約8兆5000億円です。
何でなのかな?と思ったら、経営効率が良いというのです。8月20日付日経によると、アリマンタシオン・クシュタールは郊外にガソリンスタンドを併設したコンビニが多く、投下資本利益率が11%、片やセブンイレブンは3%だというのです。
日本ではコンビニもそろそろ飽和状態で頭打ちに近い状況という話を聞きますから、創業時の50年前と比べれば、当然のことながら、もうコンビニ業界も既に「成長産業」とは言えなくなりました。少子高齢化、人口減の日本ではますます展望が暗い。そこで、買収という話が出て来たのでしょうか?
これからどうなるか分かりませんが、私がとにかく驚いたのは、セブンイレブンを買収をしようとしている会社が聞いたこともないカナダの会社だったことです。でも、そう言えば、英国の老舗通信社ロイターを買収したのはトムソン・ロイターというカナダの会社でしたし、世界的な語学教育会社ベルリッツを日本のベネッセから買収したのもILSCホールディングスというカナダの会社でしたから、日本人だけが知らないだけで、意外にもカナダには世界的な大企業が多いということなのでしょう。
その辺りの事情について、カナダのトロント在住のT氏に聞いてみたいぐらいです。
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