何がめでたい?新紙幣発行

2024年7月3日付朝日新聞「号外」 雑感
2024年7月3日付朝日新聞「号外」

 本日7月3日、私の岳父の命日ではありますが、20年ぶりに新紙幣が発行されたということで、世間は大騒ぎです。何しろ、新聞の号外まで出たんですから。写真の号外は、私が今朝、有楽町駅改札付近でゲットしてきたものです(笑)。

 でも、何がそんなにおめでたいんでしょ?

 新紙幣の肖像は、1万円札が、福沢諭吉から「近代日本資本主義の父」と呼ばれる渋沢栄一へ、5千円札が、樋口一葉から女子英学塾(現津田塾大学)創立者の津田梅子へ、千円札が、野口英世から「近代日本医学の父」と言われる北里柴三郎に代わりました。

 新紙幣の発行のキモは、ズバリ言えば、偽造防止対策だと私は睨んでいます。逆に言えば、偽札づくり防止は20年が限界なのかもしれません。賢い悪者たちは、3Dプリンターなどハイテクを駆使して偽造しますからイタチごっこです。今回は、偽造防止のため、色々と傾けたりすると肖像が立体的に動いて見える3Dホログラムを世界で初めて採用したといいますが、これも20年が限界なのかもしれません。

 もっとも、最近はキャッシュレス化が進んでいますから、これから20年後、まさかお札がなくなることはないでしょうが、新札がどういう形態になるのか分かりませんけどね。ちなみに、日本銀行は明治18年(1885年)から56種類のお札を発行しているそうです。

 さて、何がめでたい?というお話です。これも、ズバリ言って、経済波及効果を期待しているということになります。号外を見ても、一面下段には、みずほフィナンシャルグループの広告が入っています。みずほ銀行は、渋沢栄一がつくった第一国立銀行の流れを汲む銀行ですから、1万円札の顔となった渋沢翁への祝賀広告を打つ必要があるのです(笑)。また、ほかの新聞紙面を見ると、渋沢関係では、渋沢倉庫、津田梅子関係では野村ホールディングス、北里柴三郎関係では、北里薬品産業を吸収合併したMeiji Seika ファルマなどが大きく広告を展開しております。また、ちなみにですが、渋沢栄一は生涯で500社の会社をつくったと言われていますが、帝国データバンクによると、現存する「渋沢関連企業」は167社に上るそうです。ENEOS、三菱UFJ銀行、三井物産、三井住友銀行、KDDIなどです。

 この機会に便乗して「金運が上がる」という新紙幣用の財布を新聞の全面広告で宣伝している会社もありました。本当に金運が上がるんでしょうか?

 日本人は新しいもの好きですから、新紙幣発行を歓迎する人がほとんどでしょう。これで、国民の財布の紐がゆるくなってくれれば、日本の首席宰相である岸田さんも万々歳じゃないですか?

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