「つばさの党」公職選挙法違反事件

新聞各紙1面のコラム、左から読売新聞「編集手帳」、朝日新聞「天声人語」、毎日新聞「余録」 雑感
新聞各紙1面のコラム、左から読売新聞「編集手帳」、朝日新聞「天声人語」、毎日新聞「余録」

 新聞各紙で最も読まれるのは1面のコラムではないでしょうか。都内6紙に限れば、読売新聞は「編集手帳」、朝日新聞は「天声人語」、毎日新聞は「余録」、日経新聞は「春秋」、産経新聞は「産経抄」、東京新聞は「筆洗」といった具合です。どの社も「名文家」と呼ばれる社内で最も優れた書き手が選ばれます。ですから、彼らは定年退職しても文章教室の講師になったり、食いっぱぐれは御座いません(笑)。余計な話ですが、芸は身を助くといったところでしょうか。

 本日は、最近の時事ニュースを題材にして、渓流斎が新聞1面コラムに挑戦したいと思いますので、お付き合いください(笑)。

1面コラムへのオマージュ

 【転生人誤】翼とは鳥や飛行機などの羽根のことだが、どこか羽ばたく未来志向のニュアンスがあり、言外に夢や希望が含まれている気がする。そのせいか、サッカーに打ち込む少年たちを描く漫画「キャプテン翼」が人気になったり、元宝塚トップスターの女優、真琴つばささんや、「タッキー&翼」で一世を風靡した今井翼さんらを輩出したりする▼ビートルズ解散後、ソロになったポール・マッカートニーが結成したバンドはまさしくウイングス(翼)だった。ポールもバンド名に夢と希望を込めたことだろう▼そんな明るいイメージのはずの翼を政治団体名に付けた「つばさの党」の幹部3人が公職選挙法違反の容疑で逮捕された。衆院東京15区補選で、対立候補が演説中に車のクラクションを鳴らしたり、電話ボックスの上に乗って拡声器で怒号を浴びせ、選挙の自由を妨げた疑いだ。まるで、10代の暴走族がやるような幼い手口だ▼そしたら、驚きだ。逮捕された同党代表の黒川敦彦容疑者は45歳で大阪大卒、幹事長の根本良輔容疑者は29歳で東京大学大学院中退。いずれも超高学歴のインテリではないか▼党の本部は東京都千代田区隼町。自民党本部などがある永田町にも近く都内でも超一等地。となると気になるのは資金源だ。彼らの選挙活動をユーチューブで見た個人による献金がかなり占めているようだが、選挙妨害の動画をネットで拡散して、かなりの広告収入を得ていたことも明らかになった。今回の補選期間中、40本の動画を生配信し、計250万回以上再生されたという。ということは、動画拡散で党資金を得る目的でわざと妨害行為を働いていた可能性もある▼一刻も早い真相究明が待たれるところだ。(2024年5月20日)

 1面コラムの書き方は、最初に本題とは全く関係がない例を出して、読者を煙に巻きます。続いて、やっと本題に入り、最後の結論は、「大変困ったことだ」「猛省を促したい」といった決まり文句で締めて、書いた人の責任を棚上げにするーそんなパターンではないでしょうか。

 えっ?となると、このコラムはパロディーなのですか? いえいえ、あくまでもオマージュ(賛辞)です。その辺り、誤解のないよう御願い申し上げます。

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