今朝(2024年5月17日)の新聞各紙は「SNS投資・ロマンス詐欺、2024年1〜3月の被害額約279億円。前年同期比4.5倍に急増」などと社会面で報じています(警察庁発表)。
この「SNS投資詐欺」に関しては、既に2024年4月26日付のこの渓流斎ブログで取り上げたことがありますので、正直、あまり驚きませんでした。しかし、冷静に分析しますと、昨年2023年の1年間のSNS投資詐欺被害額が約278億円でした。それが、今回発表された投資詐欺は、わずか3カ月間で約219億円(ロマンス詐欺は約60億円)の被害ですから、「急増」という表現が甘いと感じないといけませんね。
各紙の記事を読んでみますと、4月に茨城県内の70代の女性が約8億円、5月には神戸市に住む70代の男性が約6億6000万円、また、小田原市の70代の男性が2億4000万円のSNS投資詐欺の被害に遭ったようです。4~6月の被害額はさらに増えることでしょう。でも、大変失礼ながら、「よくぞそんな大金をお持ちだこと!」とまず最初に思ってしまいました。
どんなお仕事をされていたのか(恐らく、大企業の元重役さんか天下りの元高級官僚か起業家?)、親御さんの遺産を相続されたのか、詳細は分かりませんが、私のような庶民から見れば目が眩むような巨額な数字だからです。
私のような庶民は、円安の影響で物価が高騰したとか、固定資産税がいつの間にか値上がっていたとか、介護保険も値上がりしたとかいった切実な問題で日々、汲々としていますので、投資の誘惑に引っ掛かるほど余裕がないせいかもしれません。
石川五右衛門の辞世の歌
話は違いますが、米大リーグの大谷翔平選手が元通訳の水島一平被告から約1700万ドル(約26億5200万円)も銀行口座から詐欺された事件も信じられないほど高額なので、全くついていけません。
「騙される方も悪い」と言う人もいますが、やはり、騙す方が悪いのです。
安土桃山時代の盗賊石川五右衛門の辞世の歌といわれる「浜の真砂は尽きるとも世に盗人の種は尽きまじ」(1594年)が思い起こされます。時代は、江戸、明治、大正、昭和、平成、令和と変わっても、盗賊たちはあらゆる手段を使って騙す手口を考えます。紙の手紙から電子メディアのSNSに変わったとはいっても、詐欺の手口や中身は、400年以上昔の安土桃山時代からほとんど変わっていないことを肝に銘じるべきです。
コメント