最近のニュースで私が一番注目しているのは、著名人をかたったSNSの偽広告の投資詐欺事件です。オレオレ詐欺のように、まだ決まった名称はなく、朝日と日経は「なりすまし広告」詐欺、毎日は虚偽広告、読売はSNS偽広告、産経は著名人の偽広告、東京はSNS投資詐欺と各紙バラバラです。
いずれにせよ、衣料品販売大手ZOZO創業者の前澤友作氏や実業家の堀江貴文氏、経済アナリストの森永卓郎氏ら著名人の写真と名前を勝手に使って「絶対に儲かります」とうまく投資を勧誘してぼったくる手口です。中には茨城県に住む会社役員の女性(70)がインスタグラムで見付けた広告で、4月5日までに計6億9000万円もだまし取られる事件が発生しました。約7億円ですからその額の大きさに私も驚愕しつつ、投資なんかしなければ、左手に団扇で穏やかで豊かな老後生活が送れたのに…と同情してしまいました。
「なりすまし広告」詐欺、年間被害総額278億円
警察庁によると、このようなSNS投資詐欺は、昨年1年間で全国で2271件発生し、被害総額は約278億円にも上ったといいます。あまりにも巨額で卒倒しそうです。
そんなわけで、4月25日には、神戸市や東京都などの男女4人がFacebookやインスタグラムのSNSを運営する米IT大手メタ(旧フェイスブック)の日本法人に計約2300万円の損害賠償を求めて神戸地裁に提訴しました。
勝手に広告塔にされた著名人らは何度もメタ社に削除するよう要請しても、ほとんど対処していないことから、実業家の堀江貴文氏も4月5日の自民党の会合の後で報道陣に「プラットフォーム企業から日本全体がなめられている」と怒りまくっていましたから、被害者による提訴は当然過ぎることでしょう。
実は私自身もSNS偽広告で騙されそうになったことがあります。2019年にZOZOの前澤社長がTwitterで「100万円を100人にプレゼント」を行って大きな話題になったことがありますが、その翌年か翌々年に、私のFacebookにこの前澤友作氏から「100万円プレゼントに当選しました」と連絡があったのです。本人の顔写真ですし、指定のページをクリックすると、100万円を当選した人たちの「喜びの声」が満載されていたのです。この後に、個人情報を登録するページになったので、ハタと何か変だな?と気づいたのです。当時は今ほどSNS投資詐欺が話題になっていなかったので、危うく騙されるところでした。そんなこんながありました関係で、私はFacebookをやめたわけです。
Facebookとは、友だち交流サイトではなく、実体はデジタル広告会社で、詐欺だろうが違法だろうが、関知しない会社だと気が付いたからでした。利用者はタダで使っているから文句を言えないはずですが、しっかり個人情報を奴さんに吸い取られてうまく利用されていたというわけです。
タダほど怖いものはない、と肝に銘じるべきです。
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