1040万円の黄金茶碗が180万円とは!

2024年4月19日付東京新聞「こちら特報部」 雑感
2024年4月19日付東京新聞「こちら特報部」

 諸般の事情により拙ブログ《渓流斎日乗》のドメインがkeiryusai.comから keiryusai.netに移転して丸1カ月が過ぎました。読者の皆さまからの反応があまりというか、ほとんどないので、「如何でしょうか?」と素朴な疑問を投げたくなりました(笑)。自分自身の分析では、「安全運転」を心掛けているせいか、面白みに欠けてしまっていると思っております。私自身の特技(?)であるシニカルなユーモアに欠け、ちょっと「遊び心」を抑えてしまっている感じです。記事の最下部に「コメント」を書く欄が御座いますので、皆さまの御意見を賜ればと存じます。コメント大歓迎です。宜しくお願い申し上げます。

高島屋「大黄金展」事件

 さて、本日は、最近、気になった社会面の事件記事を取り上げます。日本橋高島屋(東京都中央区)で開かれていた展示販売会「大黄金展」で純金製の茶碗が盗まれた事件(4月11日)のことです。展示販売価格が1040万6000円だったというのに、窃盗容疑者が江東区の買い取り店で売却して得た金額はわずか180万円です。どうなっているの? です。また、この江東区の業者は、その日のうちに台東区の業者にその茶碗を480万円で転売し、300万円の利益を得ていたというのです。もし、盗品と分かっていて転売していたら処罰されるんじゃないの? というまたまた素朴な疑問が湧きました。

 さらには、結局、この黄金茶碗は事件発生から4日後に、警視庁捜査3課がこの台東区の業者から押収したということですが、逮捕した容疑者の供述から割り出したことなのでしょう。素朴な疑問は、購入した台東区の業者は480万円を返してもらえるのかしら?180万円を得た容疑者は既に50万円ほど使ってしまったようですが、全額を江東区の業者に返還するんでしょうか?といったことです。

 これらは、多分、「永遠の謎」で終わってしまうのかと思っていましたら、本日4月19日付東京新聞の名物調査報道「こちら特報部」が私の疑問に応えてくれたのです。全部ではありませんが。

犯罪移転防止法

 まず、黄金茶碗の価格です。古物商は大抵、金の重さで買い取るそうです。盗まれた黄金茶碗の重さは380グラムでした。18日の田中貴金属の店頭価格1グラム=1万2987円から算出すると、380グラムだと時価約493万円になります。これを高島屋の展示販売会で1040万6000円の値札が付いていたのは、日本を代表する金工作家石川光一氏の作という「加工手数料」等が含まれているからだというのです。そう言われれば分かります。そして、何で江東区の業者が180万円の値を付けたのかというと、東京新聞が取材した愛知県の買い取り業者は「かなり安値ですね。200万円を超えたくなかったからかな」と推測したといいます。これは、我が国には「犯罪移転防止法」というものがあり、200万円を超える貴金属を取引した際は、詳細な本人確認や取引に関する記録作成の義務が生じるというのです。う~ん、そうなると、江東区の業者が即日転売したのは、どっか頭の片隅に盗品と疑いながら買い取ったのではないかと聴取される可能性がありますね。

480万円は取り戻せるのか?

 一番損をしたように見えるのは、480万円で購入した台東区の業者ですが、江東区の業者とは、恐らく業界仲間の知り合い同士ではないかと推理したくなります。でも、200万円を超えているわけですから、詳細な取引記録をやり取りしたのかなあ?それとも、犯罪移転防止法は、業者間の取引には適用しないのかしら? 本人確認する必要はありませんからね。

 何と言っても、黄金茶碗を警視庁から没収?された台東区の業者さんは、480万円を取り戻せるのでしょうか?肝心なことが記事に書かれていません。

 それにしても、窃盗容疑者は、白昼堂々、ケースに鍵も掛かっていなかったので、簡単に黄金茶碗を盗むことが出来て、さらに、他にも盗める物はないか、と30分以上、店内を物色していたと言われます。怪盗ルパンも顔負けで、これじゃあ、推理小説にもなりません!あ、忘れるところでしたが、見張り番の警備員の方は責任を取らされてクビになったのでしょうか?

 う~ん、何だかよく分からない不可解な事件だったこと!

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