【労苦】水道業者選びに大変苦労した話

水道で水を汲む少女 Wikimedia Commons 雑感
水道で水を汲む少女 Wikimedia Commons

 いやはや、長い長い奮闘生活がやっと終わりました。

 6階建ての自宅マンションの水道方式を現在の貯水槽式から直結増圧ポンプ配水方式に変更するため、この9カ月間、水道工事業者探しに悪戦苦闘しておりましたが、やっと1社が見つかり、昨日のマンション管理組合臨時総会でその会社を承認してもらいました。

 何しろ、こちらはズブの素人ですから、何から始めたら良いのか分かりません。手始めに、市の水道局に行って認定業者のリストを入手することでした。その数、ざっと2000件。何処の業者が良いのか、市の水道局員の人は、公務員の守秘義務を盾にして教えてくれません。ただ一つ、番号が古ければ古いほど、事業者歴があり、これまで工事の実績が沢山あるかもしれませんよ、と他人事のように、そっと囁いてくれる程度でした。

 それだけを手掛かりに、2000件から1000件に、そして、500件から50件にまで絞り込んで、取り敢えず電話を掛けまくりました。やさしく対応してくれる会社もありましたが、最初から「ウチはそんな工事はしたことがない」「ウチは3階建てのアパートをやったことがあるだけです」と丁重に断られる会社ばかりでした。それでも、10件ぐらいに資料を送り、5件ぐらいは社会常識がない会社で、全く反応なしで、返事もなし!5件ぐらいは実地に水道局の人も連れて検分に来てくれる会社がありました。しかし、最終的に4件が断念してしまい、1社しか残りませんでした。

 マンションの管理会社は、この手の仕事はお手の物ですから、最初から、いや、管理組合の理事会に通知する半年前から業者を選定し、見積書まで作成していました。しかし、これではどうしても割高になってしまうのです。管理会社のマージンが含まれているからです。例えば、2年前にマンションのエレベーターの修繕工事がありましたが、管理会社が提示した金額は1500万円。これでは高過ぎるので、管理組合理事会が修繕委員を募って業者を探し、700万円で請け負ってくれる業者を見付けることが出来ました。結局、修繕委員会が見付けてきた業者に工事を御願いしたのですが、逆算すれば、管理会社は800万円もマージンを見込んでいた計算になります。管理会社というものはマージンで生活しているとはいえ、あまりにも割高です。管理会社の意のままになっていたら、兵庫県知事か、歌舞伎町のぼったくりバーのような目に遭うかもしれないことを肝に銘じるべきです。

汚いダンピング攻勢

 今回の水道業者の場合、管理会社と我々が見つけて来た業者とはそれほどまで金額の開きがありませんでしたが、管理会社は様々な嫌がらせをしてきました。昨年12月になって初めて水道を貯水槽式から直結増圧ポンプ配水方式を提案してきて、水道業者の見積書まで提示して来ました。「これが気に入らなければ、自分たちで他の業者を勝手に見付けなさい。ただし、その水道業者は資本金3000万円以上で、この3年間で10件以上の工事実績があること」など様々な条件を突きつけてきました。最初から「ズブの素人が見付けられるわけがない」といった態度です。

 それでも、我々はやっと工事を引き受けてくれる会社S社を見付け、見積書を出してもらいましたが、その見積額を見た管理会社は突然、最初の提示額より100万円もダウンするという大幅なダンピング攻勢を仕掛けてきたのです。やり方が汚いのです!

 これで、S社は入札を断念するかと思いましたら、逆に、S社も最初の見積もり提案額より、50万円も値下げして、増圧ポンプの保証期間も1年から5年に延長してくれたのです。これが決定打といいますか、功を奏して、最終的には、管理会社の業者ではなく、我々が推薦したS社に決定したのです。これで、結果的に110万円近く価格を抑えることが出来ました。

 いやはや、本当に心身ともに疲れました。全国何処のマンションでもそうでしょうが、こういう重要案件でも関心を持つ住人は少なく、臨時総会に参加する熱心な住人は3分の1程度、半数近くは議長委任といった状態です。まるで、「好きな人が勝手にやってください」と言われているみたいでした。細かい話ですが、水道業者を探すのに、電話郵便通信代、コピー代、交通費等など全て自前でした。つまり、無料奉仕です。それに、業者の点検に立ち合うために、会社に有休を申請したりしました。こうして、管理会社や業者との折衝ではかなりのストレスに晒されました。胃がキリキリと痛んで、夜眠れない日もありました。

 S社の決定で、達成感はありましたが、110万円価格を抑えても、誰からも感謝もされず、褒められもせず、鼻白む思いしか残りませんでしたよ。

追記

 てなことを書きましたが、後日、水道業者S社のご担当者の方から、「弊社で受注できたのは渓流斎様のご尽力があってのことですので、大変感謝しております。」とのメールを頂きました。ブログなんかに書いて、「感謝」を請求してしまったようで、つくづく、自分の卑小さを感じてしまいました(苦笑)。

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